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番組向上への取り組み

放送番組審議会

2021年9月番組審議会概要

第551回日本テレビ放送番組審議会は、10月期の改編説明を行った後、『スッキリ』について7月に公表されたBPO意見書からこれまでの経緯を説明し、8月28日の深夜に放送された「検証『スッキリ』アイヌ民族差別表現はなぜ放送されたのか」を取り上げました。
番組では、差別表現の放送に至った経緯について検証チームが調査を行い、そこで明らかになった問題点を報告。アイヌ民族の歴史や差別について当事者の方にもお話を伺い、再発防止の取り組みもお伝えしています。
今回もリモート形式で行っています。(全員出席)

  • アイヌ問題を今まで知らなかった人にも啓蒙になる番組だったと思う。1994年に「イヨマンテの夜」に関して差別表現があり、その時にも再発防止策が取られていたはずなのに、二十数年経ってまた起こってしまったことについての検証がもう少し欲しかったと思う。風化させないためにも、その部分をどう徹底したらいいのかが、今後求められると思う。
  • 差別問題は伝えないと分からないことがたくさんあり、長い闘いの歴史があったことを初めて知った人も多い。それを伝えるという姿勢を委縮することなく持ち続けて、多くの人に伝えていって欲しい。
  • アイヌ差別を知らなかったという知識不足は社会全体に通じる問題で、チェック体制がずさんだったのは、日本テレビやテレビ業界全体の問題なのではないかと思う。
  • アイヌ問題は北海道と北海道以外で知識に差があるように思う。ということは、他の差別問題に関しても地域、年代、性別によってかなり大きい知識の差があるはず。スタッフに教育を行うのはもちろんだが、それぞれの意見を言いやすい環境を作っていくことも必要だと思う。
  • 出版業界では編集者がチェックして、なおかつ校正者が細かくチェックする体制があるが、テレビの場合は専門の人が全てを見るわけでは無いところに危うさを感じる。番組ごとに専門知識を持つ人を置くなどの対策が必要かと思った。
  • 検証番組の中に「どのような差別表現だったのか」ということが出てこないので、あの番組を見ただけの人は分からないというのはいいのだろうか?どちらがいいか判然とはしないが、やはり「こういう差別的表現があった」と、はっきりしたほうが良かったのではないかという気がする。
  • BPOの報告で色々な問題点が指摘されていたが、一番興味を引かれたのは「番組制作者の“感度”の低さ」という言葉。つまり、知識だけでもなく、情報の伝達の仕方だけでもなく、社会が関わってくる問題についての意識の低さ。その場、その場で考えなければならないのが“感度”だと思う。
  • 番組を作るということは、単に面白い番組を社会に送り出すだけではなく、番組を通して社会とかかわりあっていくということ。そういう意識をどれだけ制作者が共有できるか、解決すべきことはたくさんあると思う。
  • どうしてこういう差別表現を放送してしまったのかをしっかり調べ上げていた番組だと思う。“感度”に関しては、人に対してイヌの表現をするときに「あの人は社長のイヌだ」、「誰々さんに尻尾を振っている」などの慣用的なことは何となく分かるが、これは年齢的なことなのか、環境なのか?ミスをした人の年齢を知りたかった。また、土曜日の深夜ではなくゴールデンタイムでやってくれたらよかったのにと思った。
  • 非常に真摯に対応していて、自分たちのやったことを誰のせいにするわけでもなく謝罪していることが伝わってきた。若い仕事仲間に聞いても驚くほど知らない。ネイティブ・アメリカンやアボリジニのことは知っていてもアイヌのことはあまり知らないので、これは日本人の抱えている危うさだと思っている。
  • 監修の先生が「アイヌの精神性を過度に持ち上げるのは差別と表裏一体で、フラットに付き合って頂くのが一番」とおっしゃったが、何がフラットなのか、どうやったらフラットに番組作りが出来るのだろうと制作者も悩んだと思うし、自分自身もこれから色々な事を書いたり伝えたりして行くうえで、難しい課題を投げかけられたと思った。
  • 番組審議会で取り上げるのは2回目で、この判断は良かったと思う。BPOの意見書には「放送で失ったことは放送で取り戻せ」という言葉がある。エラーがなぜ起きたのか、今後、エラーを起こさないためにはどうしたらいいのかは必要だが、どう得点をあげるかもこれから考えて頂きたい。世の中には差別問題や人権にかかわることが色々あるが、それを取り上げて得点をあげてもらいたいと思う。
  • 謝罪の姿勢ががっちり描かれていたので安心した。BPOの報告書に「誰にも悪気が無かったからこそ、この問題の深刻さがある」と書いてあったが、本当にそう思った。番組の制作過程を見ていると「誰も何も言わないから良いと思った」というあたりで危うい感じがした。もう少し対話やコミュニケーションがあり、意見を戦わせる現場になって欲しいと思った。
  • 検証番組が出来ることがこの業界で定着していくならば、これは大変意義のある番組になると思う。チェック体制の甘さを、今後コンプライアンス推進室や考査部との関係で検証していく萌芽を感じられたので活かして欲しいし、「こういう用語は使ってはいけない」ということを、是非やっていただきたい。

この御意見を受けて、日本テレビ側は次のように答えました。

「信頼を回復するためには、経緯を調べて、そこで分かったことをしっかり伝えて、きちんと謝るということが必要。
検証番組の中に差別表現そのものが無かったことについては、もう一度その言葉を使うことで更なる差別を起こす危険性が有ったために、当事者の方々に自分の体験として語っていただくという形にしています。
また、この内容は深夜の時間だけでなく、8月26日放送の『スッキリ』の中と、札幌テレビを通じて29日に北海道内でも放送しています。
日本テレビとしては、二度とこのようなことが起きないように、取材や研修などを通じて幅広く知識を深め、放送人としての感度を高めることに取り組んでいきたい。」