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番組向上への取り組み

放送番組審議会

2021年10月番組審議会概要

第552回日本テレビ放送番組審議会は、2021年度上半期の番組種別時間の報告を行った後、水曜ドラマ「恋です!〜ヤンキー君と白杖ガール〜」の合評を行いました。
この番組は、ウェブで話題になっているマンガをドラマ化したもので、弱視のヒロインとヤンキーの少年が出会って惹かれ合っていくラブコメディー。視覚障害を持つ芸人の解説コーナーをはじめ、視覚障害の知識を盛り込むなど、社会的貢献も意識して制作しています。
今回もリモート形式で行っています。(全員出席)

  • 白杖の大切さ、点字ブロックの大切さなどを一つ一つ気づかせてくれて、見どころのあるドラマだと思う。そして、「“普通”って何だろう?」という問いかけが心に刺さった。人によって普通という感じ方が違う。多様性が叫ばれ、普通という紋切り型で表現しきれない社会だからこそ、心に刺さるドラマなのかと思った。
  • 2回目の放送で主人公の女性が白杖を持たないというシーンがあったが、それは「視覚障害に限らず、普通ではないことを恐れずに済む社会にしていきたい」というドラマの意思のようなものが見えた気がした。パラリンピックのときも「一部の障害者のためのイベントで、運動が出来ない人のことも分かって欲しい」という声があったが、このドラマを他の視覚障害者の方がどう感じているのか気になる。
  • 視覚障害が無い人よりも、もっと広い世界を彼らは見ていて、それは自分たちにとって考えさせられること。目が見えているせいで見えていないものが沢山あることも、このドラマの展開に入れることが出来るし、きっとやっているはずなので、楽しみにしている。
  • 目の不自由な人の見え方の違いが分かりやすく紹介されていて、素晴らしいと思ったし、弱視の人が使う“拡大読書器”も知ることが出来た。全盲の人が使っている点字のタイプライターの紹介もして欲しいと思った。
  • 視覚障害を持っている人をドラマにするのはとても難しく、どうしても、“見える人から見た見えない人”という描き方が多くなる。主人公の「見えない」という感覚がどういうものなのかをドラマを通して感情移入できるように、一生懸命工夫していることがとても素敵だと思った。
  • 原作は“現実の中でどこか生きづらくてモヤモヤしている人たち”を描くことがテーマになっている気がして、これから先どうなっていくのか、とても楽しみにしている。
  • 気が強いユキコとヤンキーの恋がどうなっていくのか、引き付けられた。ヤンキーの描き方がステレオタイプな気がするので、もう少し彼らを取材して面白いエピソードを拾ってくれたらと思った。
  • 視覚障害者と共に鑑賞する美術が話題になっている今、こうやって共に見られる番組を作っていくのは大事なことで、それが共生するということだと思う。“普通”ということが皆にあれば良いなと思っている。
  • 主人公の家庭はお姉さんが母親代わりで、世間の考えの代表のようなところがあるが、父親の存在感が薄い。今、社会を見ても父親の影が昔より薄いので、そういう社会の反映なのかと思ったが、これから先、重要な役割を占めるためにわざと影を薄くしているのかとも思う。そのあたりも、個人的には一つのポイントではないかという気がする。
  • 一番肝心なのは「この主人公を皆が愛せるかどうか」。説明されれば理解することはできるが、共感や愛情を抱くところまで引っ張っていくことに皆、苦労する。でも、その部分で成功していると思った。
  • 色々と偏見を持たれたり、理解されないことが多い主人公も、ヤンキー君に関しては、本人に確かめないで偏見を持ってしまい信じられなくなる。でも、相手を色眼鏡で見ていたことに彼女自身が気づくというところが凄く良いシーンだと思った。
  • パラリンピックが終わってしまい、一過性のスポーツの祭典で終わらせたくなかったので、すごくいい流れでこのドラマを作っていただけて嬉しいと思っている。弱視の選手やお母さんからは、「この作品をドラマ化してくれてありがたい」「こんな感じに見えているんだな」「こういうことに気を付ければいいんだなと改めて勉強になった」という感想をもらった。多くの“気づき”をドラマの中でいっぱいあげて欲しいと思う。
  • 濱田祐太郎さんの解説が良いという人もいるが、ドラマの流れが止まってしまうので、もう少し工夫をしてもらえればと思った。

この御意見を受けて、日本テレビ側は次のように答えました。

「日本テレビの水曜、土曜、日曜のドラマ3本は音声ガイドの付いた解説放送を実施しているが、今回は初めてTVer、huluなどの見逃し配信でも音声ガイド付きでアップしている。
“笑って泣けて、時々ハッとする”というのが番組のテーマで、「へぇ~」と思うことを沢山入れることにこだわって作っている。“時々ハッとする”を、いかにこのあとやっていけるかが大事だと思っているので、最後まで期待して見て頂きたい。」