第553回日本テレビ放送番組審議会は、毎週土曜日に放送されている「ゼロイチ」の合評を行いました。
4月にスタートしたこの番組は、指原莉乃さんをMCに迎え、まだ光が当たっていない人や、物、場所を発掘する生放送のエンタメ情報バラエティー。
番組は1部と2部に分かれており、1部は「旅企画」が中心。2部は「グルメや買い物」などの生活情報をお送りしています。
今回は1年8か月ぶりに対面で行いました。(全員出席)

  • 何よりスタジオの雰囲気が明るく、楽しみながら生放送をしていることが伝わってきた。和気あいあいとしてユーモアもありつつ、凄く落ち着いて安心して見られる感じだった。
  • コロナで旅行に行けなくなっている時期なので、季節感など一本通っているテーマや、番組全体を通じたテーマがあると良いと思った。
  • 指原さんという若い女性を司会者にしたのは冒険だったと思うが、実力を十分に発揮している感じがなかったのが残念だった。番組としてもテレビ界としても、もっと女性の司会者を育てて増やすというアクションを起こしていただきたいと思う。
  • 旅は既視感がある。無理に愉快にさせようという感じがあり、俳優と芸人の絡みを見るのが辛い。SNSで話題の人も、テレビで情報番組にしてしまうと面白くなくなってしまうのはなぜか?SNSとの共存は絶対不可欠になってくるので、どう料理していくかを真剣に考えるべきだと思う。
  • 感染予防対策をしながら身近な場所で旅のロケをしたところが良いし、男性4人というのも新しい気がした。日頃見られない俳優の素の部分が出ていて良かったと思う。
  • TikTokのレシピ動画の“地味な部分は全部割愛する編集の潔さ”みたいなものはエンターテインメントとして面白いなと思った。そして、情報番組における取材先とお笑いの人とのバランスは、考えた方が良いのではないかと思った。
  • どの世代をターゲットにしているのかが良く分からない。今の若い人は長いものを好まないという志向がある中、1つ1つは短いがダラダラ長い番組を好むのだろうかと思った。
  • MCが指原さんで、思い切り年齢を下げたキャスティングかと思ったら、いきなり“週末男旅”と言っておじさんが4人も出て来たので、一体どういう番組なのだろうと思った。今までの約束事にとらわれず、番組の独自性や個性を掘り当てることを期待したいと思った。
  • 全員のキャラクターが絡めないまま怒涛のように伊豆を移動するという旅になってしまい、あまり仲が良くない人と旅をする大変さみたいなものが分かってしまった旅コーナーだった。それでも、指原さんや若いスタッフの冒険を応援したいと思う。
  • 指原さんを中心に番組を作るのならば、その位置づけや座る場所も全体の顔が見えるところにした方が良いと思った。彼女のキャラクターやものの考え方がコメントの中に少しでも出て来ると、重要なキャストとして育っていくのではないかと思った。

この御意見を受けて、日本テレビ側は次のように答えました。

「8ヶ月経過して、様々な課題が見えてきたところなので、今回のご意見を参考に改善していきたいと思っている。
既存のものを作りがちという点については、クリエイターとして更に新しいものを作っていきたい。」