第561回日本テレビ放送番組審議会は、10月期の改編説明と共に、9月9日に放送された『第42回全国高等学校クイズ選手権 高校生クイズ2022』を審議しました。今回は「努力が報われる日」というテーマで、色々な意味で規模を縮小した形ではあったものの、4680人が参加した高校生たちの熱い戦いを描きました。
(4名リポート)

  • 野球でいう甲子園のように、クイズ好きの高校生が目標とする番組で面白く見た。個人戦では見られないリーダーシップやチームのために頑張る姿が見られてジーンとする場面も多々あった。
  • 気になったのは女子の少なさ。解説や応援する側も含めて、女性が極端に少ない。子供たちが「クイズは男のもの」と思わないように、未来に向けてよりよい番組作りをしてもらいたい。
  • 埼玉の栄東高校のクイズ研究会には130人を超える部員がいる。野球の名門校や強豪校でも、そんなに部員がいる高校は滅多にないのではないかと思うが、そのくらい高校生クイズが浸透しているという事を知った。
  • 自分としては結構、難しい漢字が読める方だと思っていたが、殆ど歯が立たないくらい問題が難しい。参加しようとしても参加出来ず、置き去りにされるという感じがある。そこが高校生クイズの特徴であり長所かもしれないが、ある意味、欠点かもしれないと思った。
  • クイズ研究会の人たちは「将来、どんな大人になるのだろうか?」と興味津々になった。『頭脳王』と違ってチーム戦だったので、スポーツゲームを楽しんだり、甲子園で見る若い汗にちょっと胸を熱くしたりするようなところがあった。クイズにかけた青春の一コマを垣間見ることが出来て、すがすがしさも感じた。
  • 松本深志高校の、いきなりヒーローになった学生のキャラクターが面白かったが、ああいったダークホース的な学校が優勝するようになると、この番組も本当に面白くなるのではないかと思った。
  • 問いも答えも全部分からず、自分の知力を楽しむ番組ではなくつまらないと思っていたところに解説者が楽しみ方を教えてくれて助かった。回答した後にその人が威張っているのを見るのが嫌でクイズ番組はあまり見ないが、今回は余りにもクイズが難しくて手も足も出ないので、逆に学生たちの人間的な魅力や力を見ていられたので楽しかった。
  • 世界に開かれた学生が育つような問題が出来ないかと考えた。例えば英単語の語源を探すようなクイズを作れば、楽しみながら力も付き、国際的な競争力を発揮するうえで学生も育つのではないかと思った。そういうものを引き出してくれる番組として続けてもらいたい。
  • 生徒たちが「この舞台に立つのが夢だった」と語る様子に胸が熱くなった。高校生たちが全国の仲間と真剣勝負で切磋琢磨できる場があることは素晴らしいことだと思う。
  • 宇宙飛行士の野口さんのコメントも分かりやすく、3人チームで挑むところも高校生クイズの醍醐味。ゲストの数が多すぎる気もするが、一人一人を見守っている様子が伝わってきて心が温かくなった。
  • 青春ドラマを見るような感覚で楽しめ、勝負を描く中で人生訓も散りばめられていた。仲間の大切さがメッセージとして伝わってきて、勝利の栄光だけでなく、敗れたチームも悔し涙を流しながら「楽しかった」と言っている姿に泣いてしまった。
  • 高校生クイズという大きな目標があるからこそ、一生懸命準備し、人生をかけて頑張れる。スポーツだけでなく様々な舞台を作ることが、テレビの果たす大きな役割だと改めて感じた。
  • クイズ番組の面白さに「高校生たちが青春を賭けて争う」という背景を付け加えることで、よりドラマティックになったと思う。古い体育会系の体質が感じられない「争い」の世界は良い。女子チームは出場できなかったが、男女混成チームの温かい空気感が素敵だった。
  • 絶対的リーダーがいる学校もあれば、コンビネーションで戦う学校もあって多士済々。問題は難しく、答えが分からなくても困惑は無かった。彼らの瞬発力と知識に感服するばかりだった。
  • 1つのテレビ局が作っている番組に出ることを夢見ている高校生があんなにいて、努力してくれていることは純粋に凄いこと。大切に作り続けていって欲しいと改めて思った。
  • 青春ドラマのすべてがここにあった。ドラマ作りの勉強になり、脚本を書いてみたいと思った。珠玉の青春ドラマが出来る気がした。

この御意見を受けて、日本テレビ側は次のように答えました。

「3人のチーム戦にして、チームワークは良かったと思っている。ただ、女性の少なさという点については、2次予選を通過した50チーム、150人の中には20人の女性がいたが、勝ち上がったのはたったの1チームだけだったので、今後は考えたいと思う。
また、難しい問題が多く、視聴者が置き去りにされがちなところも工夫して、日本の未来を担う若者が育っていく番組になるように努力していきたい。」