第563回日本テレビ放送番組審議会は、まず来年4月に施行される「日本テレビの番組基準」改訂に関して、前回の審議会で委員から意見を頂いて再検討した部分、
・「家庭生活を尊重し」を「個々の家庭生活やライフスタイルを尊重し」に変更
・「性」については、項目名も含め「性的表現」に変更
・「生活者」と「視聴者」の混在については、「生活者」で統一する
に関して報告し、再諮問を行って全て了承されました。
そのあと、11月9日に放送された「超無敵クラス2時間スペシャル」の合評を行いました。この番組はスマホ世代やSNS世代と呼ばれる10代のリアルな生態を描く学園形式バラエティーの拡大版で、日曜お昼のレギュラー放送で人気がある高校生水族館館長・亀井くんシリーズを始め、3組の高校生に密着して輝く姿を伝えました。(リポート1名)
- 亀井君が石垣島で桝さんと一緒に生き物探しをしている様子を見て、単に知りたいという事だけではなく、“分かりやすくみんなに伝えたい”という希望を持っているというところが新しいと思った。
- 本当のオタクの人達の“静かで変な凄み”みたいな部分をもっと見たい気がした。これからも高校生の純粋さを大切にしながら、清らかな空気を運んでもらいたいと思った。
- 青春映画の色んなパターンを見せて貰った感じで、優勝の瞬間のシーンは何事にも変えがたい感動があったが、書道パフォーマンスは評価が難しい競技で、他の高校との優劣が見ていてあまり分からない。審査の基準でも講評でも良いので、「この高校のここが素晴らしかった」ということを知りたかった。
- 自転車通学をする少年の言葉の選び方、格好良さなどが素敵に描かれていて、風景と共にいい一体感だった。余分なものが映っていなかったという技術的な上手さもあったのではないかと思う。
- この番組は大人も楽しいが、10代にエールを送っているように見えて、なんだか胸が熱くなって、本当に涙がこぼれた。
- 自然が残っている地方の田園風景が、もう一つのテーマになっている気がする。ドキュメント・バラエティーは日本テレビのお家芸だが、積み上げてきた映像の撮り方のノウハウがあり、スタッフが立体的に映像をとり、背景の魅力も伝えている。それも、この番組全体を豊かなものにしているという気がした。
- これだけ濃い内容なので、スタジオにあんなに多くのゲストや生徒が必要だろうかと思った。
- かつて高校生だった大人が見ると深く感慨を覚える番組で、何よりも“今どきの子供たちの感じ”が良い。ドキュメンタリーは失敗があった方が良いと思うが、今回は失敗しなかった。実はうまくいかないほうが、リアルとはこういうものだと熱い気持ちになるのかもしれない。
- 桝君が「こういう青春をやりたかったな」と言い、羽鳥君が「おじさんたちこそ見るべき」と言い、指原さんが「この中に入りたい」と言う。高校生活が終わった人たち全ての意見だと思った。
- 全部作り物だと、見る人はしらけるし、全部ドキュメントだと、バラエティーではなくなるし、編集の按配が絶妙だと思った。
- 高校はひたすら受験勉強するだけではなく、“オンリーワンの生徒を育てる”という意味でも、亀井君の存在は大きい。地域経済と密着するとか、地域の文化に溶け込むという意味合いの高校生が生まれるのは、今の日本にとって、凄く大事なことだと思った。
- 笑あり涙ありで、見終わった後に清々しい気持ちになった。若い力がとにかくまぶしく、それを見守る大人のまなざしも温かく、今までにあまりない素晴らしい企画だと思った。
- 全世代が楽しめる番組はなかなか難しい中で、この番組が長く続いていけば、そういう立ち位置になれると思うので、長寿番組になったらいいなと期待している。
この御意見を受けて、日本テレビ側は次のように答えました。
「レギュラー番組で伝えていることを、今回の拡大版では、はしょり過ぎて説明が足りていなかったという反省点がある。今後も、子供から大人まで広い世代に見て貰いたいというコンセプトで企画を選んでいきたい。」