第567回日本テレビ放送番組審議会は、2022年下半期の番組種別時間の報告を行った後、4月19日に放送された「上田と女が吠える夜」の合評を行いました。この番組は2022年4月にレギュラー放送がスタートし、“旬な話題や社会・生き方・趣味趣向”をテーマに女性たちが熱いトークを展開するもので、今回は新年度の新しい出会いの季節に合わせて「ギャップのある女性たち」がテーマです。(全員出席)

  • MCの上田さんが安定していて、ツッコミも嫌味にならず安心しながら見られたが、一人一人の意見をもっと知りたいと思った。放送で入りきらなかった部分や面白い部分を配信で見られたらいいと思った。
  • 豪華なゲストをスタジオに呼んで、一人のMCが裁いていくスタイルはテレビ放送ならではで、財産になるのではないかと思った。
  • 「私はこんなに面白い、こんなに変わっている」というアピールをずっと聞いていると、ちょっと疲れて来る感じがするし、「面白い」が正義ばかりだと殺伐としてくるが、その部分はMCの上田さんがさすがに見事で、素敵な演出でとても良くカバー出来ていると思った。
  • 大久保さんといとうあさこさんはコンサートマスターみたいな存在だと思ったが、彼女たちはずっとこの位置のままで、指揮者の立場になることはないのだろうかと疑問がわいた。バラエティーの世界での女性の存在の薄さや限界はどこにあるのだろうかなどを考えていきたいと思わせる番組だった。
  • 男だけだったら、こんなに盛り上がらないのではないかという気がしたし、女性たちが細かいところまで見ているという発見があった。
  • スタッフが事前に相当取材してMCの上田さんにインプットしているから、これだけの面白い話が出たのではないか。出てきた人たちが皆立つような形で、話も存在感も出ているのではないかと思った。
  • この番組の出演者の話にはオチが付いて、盛り上がるところが必ずあり、それが面白い番組の基礎になっている。ただ、テロップが少し邪魔だと思った。
  • 男性のMCがいて女性がゲストでトークを繰り広げる番組は、なんとなく男性的な価値観を凄く感じることがあるが、そういう“変なカースト”のようなものを感じなかったので、楽しく感じられたのだと思った。
  • 女性とか男性というよりも、性別を超えて一人一人が主義主張や自分の価値観を話していた。リアルで女性たちが集まると、何となく息苦しさを感じていたが、価値観が共感できるというところで女性たちが盛り上がっているトークは楽しいと思った。
  • もっと吠えていると思っていたが、余り吠えていなかった気がした。また、もっと深い話を聞きたいと思ったし、男性ゲストの小澤さんがどう感じていたのかは、大事な観点なのではないかという気がした。
  • 勉強になる要素があるので、この番組から何を学ぶのかみたいなものがあると、番組種別で“教育”のラベルも付けられるのではないかと思った。
  • 11名の女性ゲストがバラエティーに富んでいて、世代バランスもとても良かった。ジェンダーバランスの意味でも「男が吠える夜」を作って頂きたい。

この御意見を受けて、日本テレビ側は次のように答えました。

「番組開始当初は、女性が怒りやストレスをぶちまけるような内容だったが、少しずつ姿を変えて『個人がいかに世の中を楽しく生きることが大切なのか』を見ている方に感じて貰いたいと思って今の形になった。これからも色んなことを感じながら発信していきたいと思う。」