第574回日本テレビ放送番組審議会は、12月2日と9日に放送された『ニッポン人の頭の中』の合評を行いました。この番組は、検索サイトやSNSなど多種多様なデータを元に、日本人が考えていることを可視化するビッグデータバラエティーで、2023年10月からレギュラー番組として放送を始めたばかりです。(1名リポート)
- SNSで日本人の頭の中が分かるということだと思うが、使っていない人もいるのでどこまで言えるのかと気になった。
- 取材を受けている年齢構成が偏っているので、もう少しいろんな人に話を聞けたら良いのではないか。
- ビッグデータを活用してエンタメ化するのは、テレビならではの力が発揮されているのではないかと思った。
- 検索は人に言えない困りごとを解決するために行っていることが多く、データはコンプレックスが反映されているケースも多い。そういうところも踏まえてコンテンツを作ると良いと思った。
- 街頭インタビューは「若い女性はバカである」というメッセージを受け取る作りになっていたと思った。間違ったことを言っている人のほとんどが若い女性であるというのは、視聴者に対して凄く悪影響があるのではないかと懸念する。
- 番組タイトルにちょっと引っかかった。海外出身の親や子供が普通に都内の公立校にいる時代、彼らが「ニッポン人」と呼ばれるのはどんな感じがするのかと気になった。
- 代表的ではない内容の意見があったので、「自分の頭の中は違う」と言いたくなる人がいるかもしれないと思った。
- 本当に面白い人のインタビューを撮るには、莫大な時間と気力がかかるので、スタッフの苦労を評価したいと思う。
- 他の人が何を考えて検索しているのかをのぞけるのは興味をそそる番組だと思った。何をお題にするかが面白さのカギだと思う。SNSそれぞれの特徴が見られたら、もっと面白いと思った。
- 数字は取っつきにくいものだが、それを上手く利用して見やすいように編集していたと思う。ネットが登場したからこその新しい羞恥心や欲望をもっと掘り下げていける番組だと思った。
- 若い人のデータが中心になっている気がしたので、放送される時間帯からも高齢の方を含んだデータも見てみたいし、男女比や年齢層も知りたいと思った。
- インタビューの偏りが気になった。ニッポン人といっても、日本の若者の頭の中だと思った。世論調査的にやれとは言わないが、どうかと思った。
- ビッグデータは偏りがない形で、対象となる人達の傾向が分かるような番組の作り方を深めて欲しい。
- そこから何が見えるのか?どんなことが日本人の頭の中に起きているのか?過去の日本だとどうだったのか?を知りたかった気がしたし、何かそこから見えてくることがあるのではないかという気持ちが芽生えた。
この御意見を受けて、日本テレビ側は次のように答えました。
「ネット文化を取り上げた企画のため、ネットを多く使用する若い世代がいる場所で取材を行った結果、取り上げた人たちに多少の偏りが出てしまったことについては検討課題とし、今後はいただいたご意見を参考にして、より良い番組作りに努めます。」