第581回日本テレビ放送番組審議会は、10月期の改編説明の後、8月21日に放送された『世界頂グルメ』の合評を行いました。
今年4月にスタートした「食の力で世界とつながる」をコンセプトに、世界を旅し、地元メシを食べることを通して、その国を知ることができる番組で、今回は、米倉涼子さんと野呂佳代さんがメキシコを旅した回を取り上げました。(3名リポート)
- 食の領域で新しいコンテンツフォーマットを開発されたと思う。見たことも聞いたこともない料理が出て来たので凄いリサーチ力だと思い、背景にある文化も含めて楽しく見た。
- 地元の料理は日本人の口に合わないのではないかと思っているときに、リポーターが「おいしい」と連呼すると白けてしまうが、『頂グルメ』は、たとえ口に合わなくても地域の人の文化をリスペクトしている感じがあるので、そこに魅力を感じている。
- 気楽に楽しく拝見したが、もう少し食の歴史があったらいいと思った。文字が多く、いろんな人がコメントしているが、少し忙しい感じもしたので、バランスを取ってもらいたい。
- 米倉さんが自然体で良かったと思う。超有名人ならではの本音も出ていて、海外はリラックスできる場所であることが伝わってきた。また、これだけVTRの完成度が高いと、スタジオゲストは要らないのではないかという印象を持った。
- メキシコは決して安全な国ではなく、女性2人で行った時には気を付ける必要があるので、注意喚起のバランスは難しいと思うが、楽しく拝見した。
- 食に関する番組は色々と見てきたが、「こういう番組を見たかった」という感じがした。値段が結構高いと思ったので、こういうところにも円安の影響があるのかと気になったのと、もう少しメキシコの文化に詳しい人がいると、更に面白いのではないかと思った。
- 米倉さんと野呂さんは“女弥次喜多道中”のようで、お決まりのコースではなく凄く楽しそうだった。
- メキシコに行ったことがないので、そもそも、ソチミルコがどこにあるのかも分からず、Google Earthを見て初めて知った。グルメに特化しているが、土地勘をもう少し入れてもらうといいと思った。
- スタジオを含め、大きな声を出したり、過度にいじったりすることもなく安心して見られる番組だと感じたが、スペイン語ができる米倉さんが、街について質問したり、看板を読んだりする場面や、食べ物の由来について触れるシーンがあるともっといいと思った。
- スタジオパートにYouTuberやインフルエンサーを1人でも招くと、これまで見ていなかった視聴者層にもアプローチできると思う。
- 仲がいい女同士の旅の楽しさが伝わってきて、彼女たちの新たな一面も見ることが出来た。旅番組にありがちな総花的な紹介にならなかったのは良かったが、メキシコ料理の文化的背景や美味しさの秘密を、もう少し深く知りたいという欲求不満も残った。
- 繰り返し試行錯誤されながら、練られた構成の完成形とでもいうのか、最初から最後まで隙間なく、過不足なく作られていて見事だと思った。スタジオゲストのワイプも違和感がなく、自分もスタジオにいて一緒に楽しんでいるような気持になった。驚きを感じるほど、センスがいいなと思った。
皆様のご意見を受けて、日本テレビ側は次のように答えました。
「スタジオゲストについては、訪れた国や出演者とゆかりがある人にしたり、その国の地理や文化をより深く紹介したりするなど、今後はいただいたご意見を参考に工夫していきたいと思います。」