第582回日本テレビ放送番組審議会は、2024年上期の番組種別時間を報告した後、『自民党総裁選挙&立憲民主党代表選挙の関連報道』について合評を行いました。9月中に『news every.』で放送した番組コーナーをまとめて見ていただき、ご意見を伺いました。
(1名リポート)

  • 非常に分かりやすく伝えていたと思うが、経済など国民の関心が高い部分がなかったのは、あれ?という感じがした。両党が同じような深掘りで伝えてもらった方が、バランス感があるのではないかという印象を持った。
  • 「私たち」という言葉を頻繁に使い、それが誰なのかということが明確に絞り込まれていた。また、インタビュアーの姿勢もニュートラルに質問していて良かったと思う。
  • 政策チェックの一覧表が、イエスかノーだけではなく、しっかり深掘りされていたので分かりやすかった。
  • 自民党の党員・党友に聞いたというファクトに基づいた情勢報道は良かったが、「誰に投票するのか」という問いに関しては、抽象的なことに時間を使ってしまった印象がある。最初からもう少しズバッと聞いておけば、深掘りに繋がったのではないか。
  • 分かりにくい自民党総裁選の仕組みを分かりやすく伝えていたが、選挙に関する報道は、選挙前はものすごく盛り上がるが、選挙が終わった後にはあまり注目されていないと感じる。海外のメディアがどう伝えたかという話もあっていいと思う。
  • 9人の討論としては時間が短い。もう少し長い時間を使って密な議論をすることが出来たら、さらに有意義な報道になると感じた。
  • 両党の放送時間の長さもバランスがとれていたと思う。「選択的夫婦別姓」に関しては、女性アナウンサーがもう少し聞きたそうだった。自分のことと思える立場にある人には、質問を更に2回、3回させて欲しい。
  • 他局は世論調査の数字でやっているが、党員・党友に直接聞いたという数字のリアリティーがあった。スタジオの配置の問題だと思うが、誰とも向かい合っていないためか、候補者の表情が生き生きしていなかった。また、今後は各党の政治姿勢の違いが分かるような政策比較を期待している。
  • ニュース・報道系の番組で記者の出演がとても増えている実感がある。深い解説も出て来ているので、ジャーナリズムという観点で歓迎すべきことだと思う。
  • 石破新総裁は直面する課題に大いなるジレンマを抱えているが、今後どうなるか、くらいのことは言っても良かったのではないか。それが記者の解説ではないかという気がする。
  • 今回まとめて見てみたら、時間を取って政策についてもきっちり話をしていたし、総じて政治的公平や公正に気を使いながら、落ち着いて政策の分かる番組になっていたので、もっと情報が広がるような形で配信してほしいと思う。
  • 自民党の総裁選の期間中、タクシー運転手との会話で「永田町に向かう議員に誰に投票するのかと聞いたら、『違いが今一つ自分たちにも分からないので、ニュース番組を見て教えてもらっている』と言われた」という話を聞いたので、こういう報道が結果に影響を与えているに違いないと思った。

皆様のご意見を受けて、日本テレビ側は次のように答えました。

『ひと目で分かる政策比較』は放送だけでなく、日テレNEWS24のホームページにも掲載しましたが、今後はYouTubeなど、より多くの人の目に触れる仕組みも検討します。また、選挙報道はどうあるべきかを話し合い、投票の参考になるような番組作りを心がけていきたいと思います。