第583回日本テレビ放送番組審議会は、10月23日に放送された『せっかち勉強~知らないとヤバい事~』について合評を行いました。「知らないと損する情報」や「知っておけばよかった知識」を200以上用意し、余計な引っ張りはせず圧倒的なスピードで紹介するというタイムパフォーマンスにこだわった番組で、2023年9月に第一弾を放送し、今回が第四弾です。(3名リポート)

  • 凝縮された2時間で飽きずに視聴したが、どんな視聴者が見ているのかが想定しづらいと思った。いろんなカテゴリーの雑学が出てきたので、最終的に何が得られるのかをコンセプトとして伝えてもらえると、いい時間を過ごしたと思える。
  • 短時間に凝縮して勉強できたという達成感や、本当に披露しきれるのかというドキドキ感のように、もう少し見る側を巻き込む演出があると、より引き付けられると思った。
  • 「知らないとヤバい」というタイトルが気になった。ヤバいというより、知って楽しいこともたくさんあったので、タイトルと内容のギャップがあるかもしれないと感じた。
  • ジョギングの神様が心臓発作で亡くなったという話が気になった。ランニングには確かにリスクがあると思うが、本当にそうなのかと思ってしまって、こういうトピックスをこういう形で取り上げるべきなのだろうかと思った。
  • 若い人はYouTubeやTikTokでショートムービーに慣れているので、すぐに結論が出るというのは今のニーズや時代に合っている。あくまでも豆知識中心で、ためになるテレビだからこその内容だと感じた。
  • スタジオに若者に人気なYouTuberとか、そういう人を混ぜても面白かったのではないか。視聴率は高くても、Xの投稿を見るとあまり多くない。やはり、若い人が話題にしたくなるような仕掛けを利用してSNS上でも盛り上がるようにすると、今の社会と合っているのではないかと思う。
  • SNS上で話題になったものについて専門家に話を聞いて掘り下げたり、動画をネットにあげたり、視聴者とのコミュニケーションを取ってもいいのではないかと感じた。
  • ためや引っ張り、またぎなど、「余計な引っ張りは見たくない」ということをテレビでやるのは、パンドラの箱を開けたのではないか?つまり、やらなくてもいいことを明らかにしてしまったのではないかという空気を感じて面白く思った。
  • 昔は起承転結といっていたが、今は局面だけで良いというムードになってきてそれをバラエティー番組にするとこうなるのかと勉強になった。旧世代として、ここから大変だという感じがしたが、「知らないとヤバい」ということは特になかった気がした。
  • 見ているときはイライラしないし、目先が次々に変わって時が経っていくが、クスっとさせたり、驚かせたりという“忘我の感覚”をいかに濃厚に出せるかということが勝負だと思うので、これからも中身にこだわって作り続けて欲しい。
  • 2時間見て知識がいっぱいありすぎて疲れたので、1時間で良いのではないかと思った。『笑点』の大喜利みたいにきっちりとした型が定まっていて安心して見られるのとちょっと違っていて、無駄をそぎ落とした番組にするのであれば、それなりの型を作ってもらいたい。
  • 番組内で視聴者の皆さんから話題の提供を募っていたので、次回以降、提供された話題を紹介する際には、紹介の仕方も工夫すると、より一緒に番組を作っている雰囲気が伝わるのではないかと思った。
  • テンポがとても速かったが、ツッコミがあることで見ている側にも一息つく間が出来ていた。今は分かりやすく伝えることに主眼が置かれがちだが、あえて丁寧な説明を省くことで、かえって関心が引き立てられることもあるのだと思った。
  • 情報を紹介していくスピード感が印象的だった。何件のネタを集め、そのうち何割が採用されたのか聞きたいと思った。
  • 番組タイトルに疑問を感じた。情報は面白かったが、果たしてこれは「勉強」なのか?知的好奇心をそそる面白い話だったのではないか?と思った。番組全体を「勉強」という打ち出しにする場合は、理由や背景などを説明したほうが、しっくりくると思う。
  • 出演者が「あまりにも早すぎてついていけない」とこぼすほどスピーディーな展開の是非は、見る人の年代や好み、視聴習慣などによって二分されそう。MC2人の役割分担がはっきりせず、それぞれが番組の主導権を握ろうと張り合っているように見えた。主演者5人の立場や関係性をもっと明確にした方が見やすいのではないか?

皆様のご意見を受けて、日本テレビ側は次のように答えました。

2000くらいの雑学の中から、翌日の学校や職場で話題になるようなものを中心にネタを絞り込みました。『せっかち勉強~知らないとヤバい事~』という番組タイトルについては、サブタイトルに検討の余地があるので、いただいたご意見も踏まえて参考にしていきたいと思っております