第584回日本テレビ放送番組審議会は、『ニノさん』について合評を行いました。2013年4月からレギュラー放送を開始して11年半、2024年10月からゴールデンタイムに移った番組で、ゲストの「やりたいこと」「気になること」をトークやゲームで楽しむアットホームなバラエティー。ゲストの飾らない素顔を引き出すことをテーマにしています。(1名欠席)
- あっという間に1時間が経つテンポのいい番組だった。普段、人となりが見えづらいゲストの知らない素顔が紹介され、ロケも含めて楽しんだ。ゴールデンタイムに移動したことにより、今後は多様なゲストが出演して、より深みが増した番組になって欲しい。
- ゲストの2人について知らない人が見たときに、もっと知るきっかけを紹介出来たほうが良いと思った。全員がビンタされたという話も、テーマがそれでいいのかと気になった。また、もう少し抑揚というか、波みたいなものがあっても面白いのではないかという気がした。
- グルメリポートにスタジオのコメントが挟み込まれないことが心地よかった。食べた感想は聞きたいが、「食べたい」という感想はそんなに聞きたくない。また、クイズやゲームがいい意味で凄くくだらないが、大物俳優などがゲームをすることで素が見えた。そこがこの番組の肝だと思った。
- Xの投稿を見るとネット上でかなり話題になっていて、90%がポジティブ。これはかなり珍しく、それだけ愛されているということで非常に良いと感じた。
- 冒頭のVTRがかなり長く感じた。もう少し短くするか、いっそ無くしてもいいのではないかと思った。VTRを差し込んで番組にアクセントをつける方法は、今の若い世代には合わなくなっている可能性もあり、そのあたりの使い方を工夫して欲しい。
- 嫌なところが無く、かつ面白くするというのは、高等なテクニックではないかと思った。アンケートにどう答えるかという話では、作っている裏側の部分が見えて面白かった。
- 国内で選挙制度をめぐる問題や色々なことが起きていて、海外でも政変があったり、独裁政権が倒れるようなことが起きている中、ほっこりした番組についてこの会議で話すというのは、これで良いのか?と若干引っかかった。
- いろんな意味でさらっとして引っかかるものが無かった番組で、気が付くと1時間が終わっていた。吉岡さんの素顔のようなものが見られたところが面白かったが、もう少しお二人の生の姿に迫って欲しかった。
- ゲームのルールをどんどん変えて行くところに、虚を衝かれる思いを抱いた。ルールをゆるゆるにすることによって、ある種の面白さというか、好感度の高さを出すのは凄い技術だと思わされた。
- 冠番組で自分の存在感を前面に出さない人は珍しい。二宮さんは自然体でゲストを立てるので、それが俳優とは違う素のタレント性の個性だし、そのキャラクターを上手く生かしている番組だと思う。
- 色々と食べるシーンが出てくるが、「めちゃくちゃうまい」や「ヤバい」というコメントばかり出てくる。毎回それだけというのは、ちょっと違うと思う。
- 二宮さんの、落ち着いた間合いのある喋りがとてもよかった。最後のコーナーは、二宮さんと横浜さんの対照的な雰囲気が関係性を表しているように思ったが、5秒くらいですぐに終わってしまったので、もう少し二人の映像を見てみたかったし、とてももったいないという気がした。
皆様のご意見を受けて、日本テレビ側は次のように答えました。
放送時間が変わる際に大切にしたことは、これまでと内容を大きく変えないこと。この番組は、アットホームな空気感をそのまま守り、時には、必要なスパイスを加えながら一日でも長く愛される番組として進化していきたい。