第586回日本テレビ放送番組審議会は、『さよなら帝国劇場 最後の1日 THE ミュージカルデイ』について合評を行いました。2025年2月28日に114年の歴史に一旦幕を下ろした「帝国劇場」の最後の日を取り上げた特別番組で、ミュージカル界の錚々たる出演者と共に生中継でお送りしました。
(全員出席)
- ランキングのサンプルサイズが明らかでなく、番組内で表示されていなかったことと、「日本人が好きな…」という表現が気になった。こういうワードの使い方はとても重要だと思うので配慮してほしい。
- ミュージカル俳優の方々の安定感が半端なく、落ち着いて見られた。114年間の劇場の歴史が続いていることをしみじみと感じ、皆が誰かに憧れながら思いが紡がれてきたという人間ドラマがしっかりと描かれていて良かった。
- いきなりショーが始まる即興性やライブ感など、ミュージカルが持ち合わせている素晴らしさを冒頭から見られてとても良かった。頭で理解するのではなく、身体で理解する形式になっているのが素敵だと思った。
- 視聴者としても帝国劇場に育ててもらったという思いで見ていた。帝国劇場での上演ではないミュージカルの曲も多かったが、ミュージカルの間口を広げるために、あえてそうしたのかという気がした。
- HPからランキングの投票が出来るようになっていたが、もし街頭アンケートも取っていたのであれば、そういう生の声も聞きたかった。
- 途中で出てきた映像には、かなり昔の洋画が使われていたので、著作権処理などの手間がかかったのではないか?と思った。
- ミュージカルのベテラン俳優には経験があり、劇場について意味のある語りがたくさん出てきた。大地真央さんの神田沙也加さんへの対応は、本当にプロだと思った。
- 扱うテーマに関係が深い人や、思い入れがあって語れる方が登場すると、内容が深くなり、見ている人の心にも沁みてくると思った。
- とても気持ちのいい幸せな番組だと思ったが、同じものが好きな人が集まっている会話は説得力がある分、客観性がない感じが垣間見えた。帝劇のドキュメント部分をもう少し見たかったし、帝劇イコール100%ミュージカルとは限らないので、そのあたりも知りたかった。また、お客さんの声も聞いてみたかった。
- 色々な方が生で歌った中で、歌をベースにしている方と演技をベースにしている方の歌い方がかなり違うという発見があった。
- 帝国劇場自体は続くが、今の建物は無くなってしまうということで建物の価値をもう少し伝えて欲しかった。日本の歴史の中での帝劇の意味を知りたいと思った。
- 帝劇の歴史を増やすとドキュメンタリーになってしまうので、生放送でやる意味がない。こういう機会なのでこの作りで良かったのではないか。
- 帝劇や宝塚劇場のある日比谷界隈は特別な空間だと思うので、5年後にもいい番組を作ってもらうと、スペシャルな形が出来るのではないかと思う。
皆様のご意見を受けて、日本テレビ側は次のように答えました。
今回は「調査会社」「街頭インタビュー」「ホームページからの募集」を使って、約1500人を対象にアンケートを行いました。調査方法の表示とランキングに関するご指摘に関しては、今後の番組作りに活かしていきたいと思います。