第588回日本テレビ放送番組審議会は、『上田と女がDEEPに吠える夜』について合評を行いました。この番組は、水曜日に放送している『上田と女が吠える夜』の姉妹番組で、深夜にDEEPな話題を語り合う大人のトークバラエティーです。
今回は、4月22日放送の望まない妊娠から子供を守る「性教育」と、5月6日放送の「女性特有の防災対策」をテーマにした2回を取り上げました。
(全員出席)
- テーマ的には、男性がもう1人、2人いた方が良かったと感じた。女性の悩みに男性が関わっていることも結構あるので、男性としてどうしたほうがいいかという目線がフラットに入ると凄く良くなるのではないかと思う。
- 専門家による監修や出演もあったらいいかと思ったが、そのあたりは番組全体の構成と照らし合わせる必要があると思う。
- 一人一人が、自分は何を考えて、何に困って、どういうことをしているかという実体験を語っていたので、視聴者も共感できて良かったと思う。
- 日本の性教育は年間平均で約3時間しかないことや、約6割の自治体で防災担当者に女性がいないなど、防災の回は商品の情報も多くてとても役に立ったが、男性がこの番組を見たらどう思うのか?興味を持って最後まで見たいと思うかが気になった。
- 出演者のコメントの中の、統計的なデータや根拠、文献などが、番組だけでなく、どこかで見られるとありがたいと思う。
- タイトルに「上田と女が」と書いてあるので、上田さんにも吠えて欲しい。MCで回しているイメージだが、上田さんが何を考えているのかをもう少し聞けると幅が広がるのではないかと思った。
- 上田さんが生理について、一切いじったり茶化したりせず、丁寧に聞き取っていた姿が印象的で、「僕は分からないけど、どうなんですか?」と質問する姿は、視聴者の男性にとっても重要だと思った。
- 残念だったのは、問題の解決が個人と家庭、パーソナルなところに帰着していったところ。性教育には「はどめ規定」があって、ある一定のところから教えることが出来ない。そこに上手に切り込んでいけば、より良くなると思う。
- 個人的には励みになり、背中を押してもらえる番組。女性の問題をしゃべるときに男性が多くなると、女性の問題なのに男性の問題にすり替わったり、主語が大きくなっていくことに危機感を持ったりしているので、女性がメインでMCに男性の上田さんという配置は素晴らしいと思う。
- 出演者に男性を増やすより、若い女性ゲストが入ってくれると話が広がっていくのではないかと思う。
- 「バラエティーに難しいテーマをはめる唯一無二の番組である」という自信が感じられた。こんな言葉も放送に乗せて良いんだというものも何か所かあり、制作者が凄くチャレンジをしている印象を持った。
- インタビューのモザイクがやたらに多い。せっかくこれだけ本音をぶつけ合っているいい番組なのに、顔を写さないこと、声を変えることによって信頼度が下がると思う。
- 性的な話題や体の話題を男女が混じって語り合えて、男性が生理という言葉を自然に口に出せることは、本当に時代が変わってきたと思うし、これを男性にも見て欲しいと思った。
- 「性交同意年齢」のような難しい単語が出て来ても、後からテロップできちんと説明しているところも良かった。
- 防災も重要なテーマであり、災害の後に女性が差別されているとか、辛い思いをしていることは知られてきたが、気軽に見られるような番組ではあまり取り上げられていなかったので、それをきちんと伝えてくれたと思った。
- 70過ぎの世代は全く性教育を受けた経験がなく、殆ど友達との会話とマンガで育った。性教育に「はどめ規定」があって、全然出来ていないということは、2~30年前から全く変わっていない。続編を作って、そこに切り込んでいかないと、日本の教育は変わらないだろうと思う。
- 今後は出産後のマタニティーブルーを是非取り上げて貰いたい。男性もマタニティーブルーになって出産後の離婚が起きるので、円満な社会にしてもらいたい。
皆様のご意見を受けて、日本テレビ側は次のように答えました。
今回は2つとも、どちらかというと女性寄りのテーマでしたが、男性も女性も共に楽しめる内容を意識して、偏り過ぎないようにラインナップを決めています。また防災に関しては、今後、女性のための防災グッズを作ることも視野に入れてやっていこうと思っています