エリザベート  『自分を見つめたエルメス・ヴィラ』

(2003/10/15放送)


 
ウィーン南西にある、ラインツ動物自然公園。
広大な森を抜けると、19世紀末の皇妃・エリザベートの夏の別邸があります。


   
彼女がここで暮らし始めたのは、48歳のとき。
皇妃としては型破りな毎日を過ごしました。


   
   
一日の大半を、庭での乗馬や散歩、トレーニングルームでの体操に費やし、
時折、自室にこもっては、詩を書き続けたのです。
全ては、彼女自身の、孤独を埋める為・・・。


   
古いしきたりから、愛する我が子を、自らの手で育てることは許されず、多忙な夫ともすれ違う生活。
そんななか、自分を鍛え、見つめることに、生きる希望を見出したのです。


   
 
 
つかの間、夫や子供達が、彼女のもとを訪れることもありました。
しかしそれは、ほんの僅か許された日々。


 
 
それでもエリザーベトは、幸せをおぼえたのでしょう。
「魔法の城」彼女がそう呼んだ、この家で、いつかはとける魔法のように、感じながら。


エリザベート  『自分を見つめたエルメス・ヴィラ』

(2003/10/15放送)

今回の放送のBGM♪
「All of My Life」BARBRA STREISAND
次回の『心に残る家』は10月22日の放送です。
クリムト 『女性の心を見つめたアトリエ』をお送りします。
お楽しみに。