ギュスターヴ・モロー  『独創の道を歩んだ家』

(2005/9/14)


繁華街として知られるパリ・9区。
19世紀の画家、ギュスターヴ・モローはこの建物で長く暮らしました。


   
彼がこの家で暮らし始めたのは27歳のとき。
展覧会で初めて入選を果たし、世に認められ始めたころでした。


   
   
つねに勤勉であったモロー。
それゆえに、敬愛する先人たちの影響を強く受けていた彼は、
一つの決意をします。
これより先は、自分だけの芸術を確立しようと。


   
モロー自ら「実験室」と名づけたアトリエ。
彼はここで眠る時間すら惜しみ、製作に励み、
やがて本当に描きたい世界を見つけます。


   
その全く新しい幻想的な作品は、
絵画の世界のみならず、多くの芸術家たちに、
強い衝撃を与えたのです。


   
「私は夢中になって行なった制作の中で 私の人生を発見した」


   
誰も模倣できない世界を築き、
孤高の画家と称されるギュスターヴ・モロー。
彼がカンバスに映したものは、
芸術に無限の広がりを見た「喜び」なのかもしれません。


ギュスターヴ・モロー  『独創の道を歩んだ家』

(2005/9/14放送)

今回の放送のBGM♪
「Tant de belles choses」唄 フランソワーズアルディー
次回(9月28日)の『心に残る家』は
ドラクロワ『「生」を描いた晩年の家』
をお送りします。
お楽しみに。