宮沢 賢治  『農民として生きた家』  2002/9/4放送

   
夏。稲穂に渡る風が爽やかな、岩手県花巻市。
ここに、宮沢賢治が農民として生きた家があります。


   
   
大正15年、30歳で教師を辞めた賢治は、
裕福な実家での暮らしを断ち切り、
ここで田畑を耕しながら、粗食と倹約に努める生活を始めました。


   
貧しい農家の人々が、明るく生き生きと働けるようにしたい。
彼らと同じ暮らしを実感し、自分も農民の一人として接しよう。


 
 
玄米の握り飯に、おかずは茄子の漬物。
畑から汗まみれで帰っても、風呂は焚かず、
井戸水を頭からかぶるだけで済ませる毎日。


   
 
 
肥料の相談に乗ったり、
オルガンやセロを弾いて、音楽の楽しみ方を教えたり。
所詮、金持ちの道楽だと陰口を叩かれても、
心をこめて人々のために尽くした賢治。


 
 
「ヒデリノトキハ ナミダヲナガシ サムサノ夏ハ オロオロアルキ
ミンナニ デクノボウトヨバレ ホメラレモセズ クニモサレズ
ソウイウヒトニ ワタシハ ナリタイ」


 
 
「雨ニモマケズ」の詩は、
今も私たちに、誰かを思い、生きることの意味を伝えています。


宮沢 賢治  『農民として生きた家』  2002/9/4放送

 

 ♪『Inisheer ・・・』
 唄:Buttons and Bows


次回(9月18日)の『心に残る家』は
(※9月11日は特別番組放送の為、お休みです。)
エイブラハム リンカーン『新たな夢に旅立った家』
をお送りします。お楽しみに。