第6章 王妃に仕えた家具調度品作家たち

《籠目栗鼠蒔絵六角箱(かごめりすまきえろっかくばこ)》

1778年、最初の王女を出産した際、マリー・アントワネットは母であるオーストリア大公マリア・テレジアから日本の漆の箱を贈られた。これは1779 年にヴェルサイユ宮殿に到着した。しかしながら実際は王妃の日本の漆器類のコレクションは、大公の死に際して50点の漆器が遺贈された時に始まる。この遺贈品を王妃の居室の中に展示するための飾り棚が、ジャン=アンリ・リズネールに特注された。マリー・アントワネットは贈り物として受け取ったこのコレクションを展示するだけでは飽き足らず、それ以降も金鍍金(きんめっき)されたブロンズ台座付きの装飾品でコレクションを充実させた。これらの購入はパリの高級小間物商たち、とりわけドミニク・ダゲールを介して行われた。
マリー・アントワネットはこのように最高級の洗練された日本の漆器類を収集し、これらを私室で大切に保管した。コレクションの全容は様々な形の、独創性に溢れた70点を超えるもので、その多くが17世紀のものだった。

Special

TOPへ戻る