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 結構うまい!?フジツボ  #674 (2003/03/23) 

 いよいよ春。潮干狩りのシーズン到来です。そんな海辺の岩場などによく張り付いているのがフジツボ。いったいこの生物、何の仲間なのでしょう?そして最近、このフジツボが本格的に食べられ始めたとの噂、本当なのでしょうか?

蔓脚(まんきゃく)  矢野さんは東京湾にフジツボを探しに行きました。まず訪れたのは結構都心に近い品川区大井。するとタテジマフジツボ、シロスジフジツボ、イワフジツボ、ドロフジツボ…と何種類ものフジツボが見つかったのです。なんと日本だけで200種類ものフジツボがいるのだそうです。
 そしてこのフジツボを水槽の中に入れて観察していると、なんと壷の部分から脚のような物が出てきたのです。これは蔓脚(まんきゃく)というものでエサのプランクトンを獲るためのもの。あの硬い殻の中には頭部、胸部、脚部に分かれる部分も有りました。実は…

所さんのポイント
フジツボは甲殻類。エビやカニの仲間だった!

 フジツボは体の中で卵をふ化させ、幼生を放出します。これがノープリウス幼生。海中を自由に泳ぎまわるもので、エビカニにも同じ幼生の時代があります。その後2週間ほどでキプリス幼生という最後の幼生になり、この時物に付着し、その後あの動かないフジツボになるのです。

 結構何にでもくっついているフジツボ。流木やらガラスやらにもくっついています。本当に何にでもくっつくのでしょうか?そこで瀬戸物、プラスチック、ゴム、むいたゆで卵の4点を用意フジツボがくっつくか実験を行いました。するとゆで卵以外にはキプリス幼生が付着したのですが、他の物に付いた幼生が成体になったのに対し、ゴムに付いた幼生は成長しなかったのです。どうやらフジツボは硬い物を好み、硬くない物には仮に付いても成長しにくいという性質があるようです。

 海岸で身を寄せ合うように群生しているフジツボ。いったいなぜあのように重なり合うように群生しているのでしょう?そこでしばらく観察していたら、1つのフジツボからなにやら白い管が伸び、もう1つのフジツボの体内に入りました。伸びたのはフジツボの交尾器。フジツボは雌雄同体なのですが、基本的には他の個体と交尾して子孫を増やすため、交尾しやすい様に群生していたのです。

フジツボを試食
 最近、青森などで本格的に食べられるようになったフジツボ。そのフジツボは大型のミネフジツボでした。矢野さんが現地に飛び、食べたところ、それは間違いなくカニの味がしました。スタジオで所さんも試食。満足です。
 それならば東京湾の小ぶりなものでもきっと食べられるはず、と「目がテン!」が立ち上がりました。大量にフジツボを採取、人の手で壷を丁寧に取り除きました。かかった時間は実に6時間。それで作るものはフジツボご飯。スタジオで所さんが試食…が、やはり東京湾のものはちょっと臭みが強く、所さんを満足させるには至りませんでした。

所さんのポイント
フジツボはカニの味がする。なかなかの美味!


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