知識の宝庫!目がテン!ライブラリー


票が集まる(秘)選挙運動
第1041回 2010年7月3日


 いよいよ参議院選挙の季節。街では選挙カーで叫んだり、街頭演説をしたり、街は選挙一色!そこで、今回は選挙運動の効果を科学で検証します。

選挙運動その① 名前の連呼
 街頭演説や街中を巡る選挙カーでよく候補者の名前を連呼していますが、街で皆さんに聞いてみると、熱意が伝わるどころか、「うるさい」と逆効果になっているようです。そこで実験!4つのコーヒーから一番おいしいコーヒーを選んでもらうコーヒー選挙を行います。まずは街の人達にそれぞれ田中、佐藤、小林、鈴木と名前が付いたコーヒーを何も言わず飲み比べてもらった結果、どれも大差はありませんでした。でも実はこのコーヒー、名前を変えただけで中身は全部同じコーヒーなのです。そして、ここからが本番!都内のとある劇場で、お芝居を観に来たお客さんに、某有名政治家も頼るという伝説のウグイス嬢に、「田中コーヒー」の名前だけ劇場の入口とロビーで開演前に連呼してもらいます。そして、お芝居が終わった後にコーヒー選挙を行った結果、なんと26人中14人が田中コーヒーを一番に選び、圧倒的な支持を得たのです!理由を心理学の専門家に伺うと、これは単純接触効果といい、同じものを繰り返して見たり聞いたりすることで、知っているという感覚が増し、それによって安心感も出て、好感度も上がるというのです。例えばTVのCMで同じものを何回も見ていると好感度が増す現象もこれと同じだそうです。ちなみに、公職選挙法の規定で、走っている選挙カーでは演説してはいけないという決まりがあるため、選挙カーでは、名前や政党名だけを連呼しているのです。

所さんのポイント
ポイント1
選挙運動で政党名や名前を連呼するのは、何回も繰り返すことで、聞いた人が知っているという感覚を生む効果があるからなのだ!

選挙運動その② 選挙ポスター
 選挙名物といえば、至る所に貼り出される候補者のポスター!そこで、矢野さんが選挙用品の専門店を訪ねてみると、選挙ポスターは正面を向いて撮ることが大事だといいます。過去の選挙ポスターを集めた資料を見せてもらうと、確かに皆さん正面を向いています。でもなぜでしょうか?そこで目がテン!選挙ポスター実験です!一人だけ正面のパネル(11票)50〜60代の一般男性5人に協力してもらい、選挙ポスターと同じ方法で撮影した選挙風ポスターを街で見せて、街行く人に、投票するとしたら5人のうち誰にするか選んでもらいます。そして、37人に選んでもらった結果、なぜか1票も入らない男性がいました。そこで今度は、この男性のポスターだけは正面のまま、他の4人のポスターは目線を外した写真に変え、再び選挙を行うと…なんと先ほど0票だった男性が11票を獲得し1位となったのです!専門家によると、目線を合わせることで、だまさず正直でいるというメッセージが伝わり、相手に安心感や信頼感を与えるそうです。

選挙運動その③ 握手
 選挙の時期になると、道行く人と握手をしている候補者を見かけることが多いですよね。しかし、ただ演説するのと、握手をするのでは得票に違いが出るのでしょうか?そこで実験です!専門学校の学生さんたちの前で、アダムス、トーマス、マイケル、ダニエルの怪しいマスクマン4人組の中から投票でリーダーを選んでもらいます。しかし、実は4人ともマスクを変えただけの同一人物!まずは4人に立ったまま言葉だけでアピールしてもらい、投票してもらったところ、特に目立って票を集めた人物はいませんでした。しかし実験はここからが本番!学生さんを入れ替え、今度は4人がそれぞれ別の方法で学生さんたち1人1人の目の前でアピールして回ります。アダムスは、言葉だけで挨拶回り、トーマスはお辞儀、マイケルは、ガッチリと握手を交わし、ダニエルは自分の名前を書いた紙を渡していきました。全員がアピールを終えていよいよ投票。運命の開票結果は…なんと握手をしたマイケルが26人中、17票と過半数を獲得しての圧勝でした!マイケルが二人目と握手マイケルに投票した人たちに理由を聞いてみると、「握手したことで、この人だったらやってくれそうだと感じた」、「握手をすることで親近感が湧いた」 などの意見が聞かれました。専門家によると、握手のように人間の肌と肌が触れ合う行為によって、好意的な感情が芽生え、信頼感も得られるそうです。例えば赤ちゃんがお母さんに抱かれると安心して泣き止むのと同じように、肌が触れ合う握手には絶大な効果があったのです。

所さんのポイント
ポイント2
肌と肌が触れ合う握手には、相手から信頼感や好意的な感情を得られる効果があるのだ!




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