放送内容

第1471回
2019.04.14
移住体験・福江島 の科学[後編] 場所・建物

 移住シリーズ第6弾!長崎県・五島列島最大の島「福江島」の後編です。ここ数年、毎年100人以上もの移住者が集まり、そのうち7割が40歳以下という若い世代に人気の福江島。そんな、注目の移住先で、移住体験プレゼンターの金丸慎太郎さんが1週間の移住生活をスタート。今回金丸さんが住むのは「ゲストハウス」。
 今回の目がテンは、若い世代に人気の移住先、長崎県・五島列島の「福江島」、後編をお送りします!

食材が安く手に入る福江島!

 この日は、先輩移住者の元へ訪ねます。4年前、静岡から移住してきた小本さん夫婦と、長女の薫(かおる)ちゃん。夫の崇広(たかひろ)さんは以前、車のデザイナーをしていましたが島の暮らしに憧れ、様々な離島を巡った結果4年前、福江島への移住を決意しました。
 その決め手は、移住前に遊びに来た時に行ったカフェのお母さんが「良い所だからおいで」と言ってくれたこと。実は、住みたいと言っても、おいでと言う人ってあんまりいないんだそうです。移住後は、趣味の料理を仕事にしたいと、食品衛生責任者の資格を取得。現在は島の出張料理人として働いています。ちょうど明日、ビーチの近くの工事現場にカレーを出すということでお手伝いすることに。
 明日振る舞うカレーの食材を買い出しに近くのスーパーへ。五島産のキャベツは、ひと玉100円。さらにほうれん草も5束で100円。大根は1本なんと40円。福江島では温暖な気候を活かし、様々な野菜が栽培されており、生産者が直接、小売店に持ち込むことが多いため、野菜が安く手に入るんです。

 さらに、小あじも15匹でおよそ200円。ブリの切り身も7切れでおよそ200円。ほかにも、福江島で刺身にしてよく食べられるきびなごなど、野菜だけでなく、魚も安いんです。五島列島周辺は、黒潮から分岐した対馬海流が流れ込み、流れに乗った回遊魚が集まる、豊かな漁場なんです。

 翌日、小本さんが作ったカレーをキッチンカーに運び入れます。荷物を積み込んだら、依頼された建築現場へ。今回は、建築現場で働く職人さんのお昼ご飯に、カレーを振る舞います。美しい海を眺めながらいただくのは五島で採れた野菜やブランド豚を使った地産地消のオリジナルカレー。

 島の景色を眺めながらカレーを堪能してこの日の移住生活を終えました!

自撮りで福江島の移住生活を調査!

 ここからは恒例のあの提案。相手の本音を引き出すため、金丸さん自らカメラを回し、移住生活を撮影してもらいます。
 移住初日にゲストハウスで知り合った先輩移住者の副田賢介さん。島の魅力に惹かれ、3年前に東京から移住して来ました。福江島からおよそ7km離れた黒島の近くにイカ釣りのポイントがあるそうで連れていってもらいます。
 実は黒島には、島民がたった1人しかいないそうで、その方のお宅を訪ねました。
 黒島唯一の島民、山中マサ子さん71歳。山中さんは黒島生まれの黒島育ち。島の人口は、昭和30年の190人をピークに高齢化や島離れなどで、今では山中さんひとりだけ。
 そしていよいよイカ釣り開始!狙うは、五島列島が日本有数の水揚げ高を誇るというアオリイカ。すると、早くも賢介さんが大きなアオリイカを!その後も、大きなアオリイカを釣り上げ合計3杯も。一方、金丸さんも腕が折れるくらい竿を振り続けましたが釣果0。
 陸に上がると、アオリイカを神経締めします。神経締めとは、イカの神経を切断することで仮死状態にし鮮度を保つ方法。

 その夜、ゲストハウスへ戻り、イカを堪能し、本日の自撮り生活終了。

 そしてこの日は、映画の上映会があると聞き、行ってみました。普段は1日1組限定の宿として営業している「jasmine」。今日は宿ではなく映画用に設置されたスクリーンがありました。そこで出会ったのが、映画の主催者、藤田佳子さん。福江島には映画館が1つもなく、それを知った藤田さんは、クラウドファンディングで集めた寄付金で必要な機材を揃え、この日、島で初めての上映会を開催しました。実は藤田さん、6年前に東京から移住してきた先輩移住者。現在は、ウェブ関係の仕事をしながら、大好きな映画のイベントを行っていたんです。 そして、会場には地元の高校生たちもいました。彼らが作っていたのが、高菜ときびなごを使った五島ピザ。五島列島周辺の海域で良く穫れる、きびなごと呼ばれる、10cm程度の小魚。さらに五島市の特産品である高菜は、例年2000トン以上の収穫量を誇っているんです。実は、彼らがピザを作っているのには"ある理由"があったんです。
 全国の高校生が集い、ビジネスプランをプレゼンするコンテストで、五島高校が地産地消の五島ピザをプレゼンした所、みごと優勝。そのビジネスプランが実際に成り立つのか?ここで検証実験を行っていたんです。
 すると、高校生たちから球技大会の話を聞きました。後日、お城の中にある五島高校を訪ねます。「テレビの撮影で来た」と言えば球技大会に参加させてくれるはず。そして交渉へ!普通にダメでした…。

 この日は、移住初日、ゲストハウスで歓迎会を開いてもらったときに出会った、福江島出身の竹村助善さんのツバキ畑に連れてきてもらいました。竹村さんの奥さんにツバキ畑を案内してもらいます。
 ヤブツバキは五島市の花として、町のシンボルになっており、福江島では、塩害や浜風に強いツバキが防風林として畑を囲むように植えられているんです。さらに、五島市はツバキ油の生産量が2年連続日本一に輝いています。

 そのツバキ油を絞る体験をさせてくれるということで、竹村さんが経営しているカフェへ。
 ツバキ油を絞るために、まずはツバキの種の殻をとっていきます。そしてツバキ油を絞ります。実が穴から飛び出さないようにゆっくりと絞っていきます。そして、竹村さんおすすめの食べ方、搾りたてのツバキ油をバニラアイスにかけて食べます。

 そして、移住生活も残すところあと1日。この日、お世話になった方々へ料理でもてなそうと考えていました。完成したのは金丸さんの得意料理、鶏鍋です。

 一緒にイカ釣りに行った賢介さんや、観光で宿泊中の方たちも集まり、みんなでいただきます。メインディッシュは、特製の鯛めしです。

 みなさん喜んでくれました。
 こうして、カメラに収められたのは、ゲストハウスで仲良くなった人たちや先輩移住者、自撮りを通して交流を深めた人々と充実した生活でした。そして1週間の移住生活を終え、スタッフと合流。ゲストハウスとも、これでお別れ。今回、ゲストハウスのオーナー・瀬川さんのご厚意で帰りの空港まで送ってもらいます。すると、空港に移住生活で出会った方々がお見送りに来てくれていました。
 金丸さんは、「人と触れ合いまくった一週間。徐々に仲深まる感じだったので、楽しかったですね。初めての体験でした」と、今回の移住生活を語りました。