工房日誌

♯1 100倍のアヒル村長は空を飛べるか!? 2011/2/20

長瀬が思い付いた、DASH村“アヒル村長の100倍立体凧"作り。
その大きさは全長11m、高さ12m、幅9mの巨大立体凧!
さっそく、長瀬が松岡を連れてやってきたのは、日本有数の凧揚げスポット、静岡県富士市の富士川の河川敷。
そこで、日本に様々なカイトを広めてきた第一人者、加藤正二さんに協力をお願いし、100倍のアヒル村長を作ることに。
しかし、アヒル村長の形には意外な盲点があった。
村長のような球体の形状は、受けた風が分散し、揚力を生みにくい。
そこで、2人が参考にしたものは空気口から、袋状の体に風を取り入れ、立体的な形状を保ちながら空へ揚がる“フローフォーム・カイト"。
作成過程のポイントは、効率良く空気を取り込む空気口と、軽くて丈夫な素材、球体ボディの揚力アップの3つ。
まず、600平米の面積を必要とする100倍村長に使用する生地には
軽く丈夫なリップストップポリエステルを採用する。
ヨットの帆にも仕様され、通常のポリエステルと比べその強度は3倍。
重さも23kgに抑えられる。
続いて大掛かりな凧作り。
風を受ける面積を増やせば、その分揚力は増すということで、アヒル村長の形状を、翼を広げた飛翔スタイルに変更。
そうして決まった、全パーツを100倍の型紙で作り、
生地に当てて、切り出していく。
それらを工業用ミシンで縫い合わせ、縫合が完了。
残るは、凧を膨らませる空気の入口である村長のクチバシ。
フローフォームカイトは、常に空気を取り込み続けないと、縮んでしまい揚力も安定しない。
そこで、二人が訪れたのは、静岡県小山町の富士スピードウェイ。
ヒントにするのは、フォーミュラカーの“エアインテーク"。
ガソリンを燃焼するため、空気を取り入れるエンジンの空気口。
長瀬は、エアインテークへ流れる紐の動きから空気の流れを探るべく、自作のビニール紐付きヘルメットでテスト走行へ。
すると、曲線状の丸い入口であれば、空気の乱れは少なく、流速も早められ、空気を取り入れられる量も多いことが判明。
長瀬も改めて構造を確認。
長瀬「(エアインテークの縁が)Rの形になってるね」
そのRの形状に着目し、村長のクチバシに取り入れ、空気の取り込み口は“たらこ唇"型に決定。
空気口となる、たらこ唇型のクチバシは、発泡スチロールの土台にカーボンの骨組みを作り、袋状のリップストップポリエステルに入れて作成。
村長らしいつぶらな目を貼付け、厚い唇に、広げた左右の翼、オリジナルとは多少変化を遂げた100倍アヒル村長立体凧が遂に完成!
いよいよ、凧揚げに挑むため、富士川の河川敷へ!
まずは、空気を入れて膨らませないといけないが、体積が60万リットルの巨大村長は、なかなか膨らまない。
そこで、村長のお腹をカットし、新たな空気口を増やす。
さらに業務用の送風機を使って、膨らます作戦に。
クチバシと左右の翼から空気を送り続けることで100倍村長は立ち上がり、準備万端!
長瀬、松岡が引き手となり、全力疾走!
わずかに浮かび上がる村長!
と間もなく、村長は大きく傾き、横転!
原因は、唇の空気口が小さすぎ風圧で押しつぶされ、たるんだ翼が機能しなかったこと。
その結果、6秒浮いただけでバランスを崩し、回転してしまった。
そこで、村長の両サイドに長い糸を取り付け、バランスを保たせる。
さらに、引き手を長瀬を含む11人に増員し、後方からは
松岡と加藤さんの2人が、左右の糸で回転を抑えながら追走。
風速3m。100倍村長にとって絶好の風が吹く!
今度こそ、飛ばしてやりたいと再挑戦!
全力疾走する一同!
長瀬「おお!飛んだ!、飛んだ!」
バランスを保ち、風に恵まれた村長は見事に空へ飛び立つことに成功!
その高さは9m、滞空時間32秒、富士山も驚く空の散歩。
これで村長も大満足!?
今度は、これを機にもっと巨大な立体凧に挑むか!?
より大きくより高く、DASHガレージの挑戦はまだまだ続く!

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