古事記のなかの「因幡の白兎」の物語に出てくる和邇(わに)ざめのこと。辞書では「古語で鮫あるいはその大形の種類である鱶をいう」とある。この地方ではそのワニという言葉が現在でも使われている。
明治時代、まだ交通機関が発達していない頃、海の魚といえば舌がしびれるほど塩をした魚か干物しかなかったが、ワニは腐りにくく保存が利くため刺身でも食べられる唯一の幸だった。
ワニはエイとともに進化の遅れた魚で、血液中にアンモニア分が含まれておりそれが腐敗を防ぐ。
1〜2週間おいたものでも刺身で食べられる。
一年中食べられるが、身の引き締まる秋から冬にかけてが最も美味。