川上貞奴  『初恋の人と結ばれた家』

(2005/12/14放送)


 
名古屋の住宅街で一際目をひく瀟洒な洋館。
日本で初めての「女優」といわれる
川上貞奴の家です。


 
国際派女優として欧米でも人気を博した彼女が、
引退後、この家で暮らし始めたのは47歳のこと。


 
彼女が表舞台を降りたのは、
芝居よりも大切な存在が出来たから。
それが恋人・福沢桃介でした。


 
 
二人の出会いは貞奴15歳、桃介18歳のとき。
互いに初恋の相手でありながら、
違う人生を歩まねばならなかった哀しいさだめ。


   
けれど時を経ても色あせない想いが、
ここでの二人の暮しとなったのです。


   
名だたる実業家である桃介のもとには、
朝から晩まで客が訪れます。
そのもてなしを、貞奴は一身に引き受けました。
愛する人のために生きる歓びで、胸をいっぱいにして。


   
   
この家での20年あまりの日々、
彼女は至福のときを過ごしたのです。
女優・貞奴ではなく、一人の女性・川上貞として・・・。


川上貞奴  『初恋の人と結ばれた家』

(2005/12/14放送)

今回の放送のBGM♪
「Company」唄:Rickie Lee Jones
次回(12月21日)の『心に残る家』は
天皇陛下 歴史の証『旧日光田母沢御用邸』
をお送りします。
お楽しみに。