肋骨

※首長竜をクリックする事で、各部分の化石を見ることが出来ます

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肋骨（１０）

幅1.8ｃｍ　長さ5ｃｍ

橋本隊員が第１プールの下流から１５ｃｍほどの灰色の岩盤をコンクリートタガネで細かく割っている時に発見。
表面上からは見えていない状態で岩盤の中に埋まっていた。
最初見た時は、巣穴に非常に似ていたので安易に取り出してしまい破損個所がでてしまった。
クリーニングは、岩盤自体が硬かったので、エアチゼルでの衝撃に耐えることができ割らずに終了した。

肋骨（９）

幅2.5ｃｍ　長さ13ｃｍ

橋本隊員はエアピックで割った３０ｃｍくらいの岩盤から半分われた状態から発見。
骨は岩盤の中に埋まった状態で表面上には出ていなかった。
クリーニング時は、表面上に出ていなかった分非常に難しい。
ほとんど腐っている状態で材のようにもろくちょっと力を入れて持っただけで、直ぐ壊れてしまう。
接着剤で接合しても他の部分がボロボロとくずれてしまいクリーニング後も持ち運びが難しい。

発掘１３３日目

肋骨（８）

幅2.5ｃｍ　長さ3.5ｃｍ

発掘１３３日目。金子隊員が肋骨（７）とともに岩盤を割っているときに発見。
しかし、肋骨（７）の方が目立っていたせいか、金子隊員は気づいていなかったものを後に神田隊員がクリーニングをしているときに岩盤とともに発見。
しかし、肋骨（７）とくっつくには破片が足りない。

発掘１３３日目

肋骨（７）

幅2.3ｃｍ　長さ6.5ｃｍ

発掘１３３日目。金子隊員が大腿骨周辺の岩盤を本部内のクリーニング班にクリーニングしやすいように本部の外で小さく割っているときに発見。
しかし、５ｋｇハンマーを使用していたので、化石ごと粉砕してしまった。
すぐに気づかなかったため、半分以上破片がない。
発見した４分割の破片を接着剤でくっつけて、高橋先生に粘土で隙間を埋めてこの形となった。

発掘１３４日目

肋骨（６）

長さ7.5 cm　太さ2.0 cm

134日目に川底を発掘していた太一が、15 cmほどのノジュールを発見。
本部に持ち帰り、神田隊員がクリーニングをすると、まず大腿骨(2)が、続いて指骨(9)が、さらにこの骨が現れた。

極めて硬いノジュールであったが、わずか15 cmほどの塊の中に、大量の骨が含まれているとあっては、ダイヤモンドカッターでザクザク切るわけにはいかない。
そのため神田隊員は、エアチゼルを用い、ノジュール表面に筋を１本ずつ刻み込むようにして、母岩を削っていった。
実に根気のいる作業であったが、ほぼ一日を費やして、化石をすべて取り出すことに成功した。
残念ながら、この肋骨は途中で折れ、半分以上が失われている。

このように、化石が密集している場所を『ボーンベッド』と呼ぶ。（ボーン＝骨）

発掘１３５日目

肋骨（５）

長さ5.0 cm　太さ2.0 cm

135日目のクリーニング中に、10 cmほどのノジュールの中から、指骨(4)と共に発見された。

硬いノジュールの中に、二つの化石が交錯するように埋もれていたため、まず鈴木先生が、ダイヤモンドカッターで岩をカット。化石までほんの数ミリ、というギリギリの所まで切り込みを入れた後、金子隊員らがエアチゼルで仕上げのクリーニングを行った。

「肋骨ではないか」「いや、単なる材（木化石）では？」と、隊員の意見が分かれたが、化石の両端が欠けているため、決め手に欠ける。
結局、長谷川博士の鑑定を仰ぎ、首長竜の肋骨であることが分かった。

発掘１２９日目

サメの歯が刺さった肋骨

長さ6.5 cm　太さ2.8 cm
（歯は長さ2.3 cm　太さ1.4 cm　及び長さ2.1 cm　太さ1.2 cm　の２本）

129日目に、黒山隊員が発見。
普段は５kgハンマーを駆使して、大きな岩盤をブチ割る作業を得意にしている彼が、本部内でクリーニング作業をしていた時のこと。
10 cmほどの岩を小型ハンマーでたたき割って、その断面を見たところ、不自然なくぼみが２ヶ所あるのに気付いた。
そこで、テーブルの上に散らばった、岩の破片を拾い集めてみると、黒く尖った物体を２個発見。
「あっ、歯だ…」
すでに、肉食魚やサメの歯は、かなり出土しているため、黒山隊員自身も、周りにいた他の隊員も、それほどの驚きはなかった。

黒山隊員が、２本の歯を、岩のくぼみに入れてみると、ピタリとはまる。
「やっぱり、ここに埋まっていたのか…」
しかし、くぼみをもう一度よく調べてみると、奇妙なことに気付いた。
ただ単に、母岩の表面に穴が空いているのではなく、棒状の物体に穴が空いているのではないか！
この棒状の物体とは!?　もしや…
「なんか、変なモノ見付けちゃったよ！」

黒山隊員のもとに駆け寄った太一は、「首長竜の骨に食い込んだサメの歯でしょ!?」と大胆に予想。
"首長竜の骨にサメの歯が食い込む"とは、一体どのような状況で起こるというのか!?
鈴木先生も、「首長竜にサメが噛みついたんだよ」と言うが、そんな事が本当にあったのか？

130日目に、長谷川博士に鑑定して頂いたところ、太一や鈴木先生の推理が正しかったことが証明された。
しかも、博士によれば、世界的に見ても希少価値の高い化石であるとのこと。
慣れないクリーニング作業に悪戦苦闘していた黒山隊員にとって、実に嬉しい発見となった。

数千万年前、あの場所で、首長竜とサメがどんな死闘を繰り広げたのだろうか？

発掘１２９日目

肋骨（４）

長さ5.4 cm　太さ2.0 cm

129日目に、城島が野球ボール大の石をクリーニングしていると、実に奇妙な形をした化石が含まれているのを発見した。
エアチゼルで慎重に母岩を削っていくと、それは２本の化石であり、交差するような状態で埋もれているのだと分かった。
２時間ほどかけて、なんとか傷つけずに取り出すことに成功した。

130日目に、長谷川博士に鑑定して頂いた結果、首長竜の肋骨の一部（1/2から1/3）であることが判明した。

同じ石に含まれていた化石は、指骨(3)であることが判明。
海流によって、死体の骨の位置が崩され、堆積したものと推定される。

発掘１１５日目

肋骨（３）

長さ19.0 cm　太さ2.5 cm

115日目に、神田隊員と鈴木先生が川底を発掘していた時のこと。
鈴木先生が「これキープですね」と、30 cmほどの岩盤を何気なく神田隊員に渡した。
その瞬間、神田隊員の眼が、まるで高性能センサーのように反応！　棒状の物体が埋もれているのを見逃さなかった。
「先生、これ化石では？」
発掘歴40年のキャリアを誇る鈴木先生も、「さすがですね！」と脱帽。
二人の声を聞いて集まってきた隊員一同が川底を探すと、合計４個の破片が出てきた。
この地点は、５日前に３分割の化石〔後に首長竜の肋骨(2)と判明〕を見つけたポイントから、たった25 cmしか離れていない。これは、何か関連があると見て間違いなさそうだ。
「テンション上がるな！」と太一も大興奮！

本部に持ち帰り、第１発見者の神田隊員がエアチゼルによるクリーニングを行うと、４つの破片はそれぞれ1cm、3cm、6cm、9cmの長さになった。
断面の形が似ていることからして、元は同一の骨であったことは確かだが、欠損部分があるために、そのままでは接合できない。
高橋先生の助言を仰ぎ、欠損部分を粘土で補った結果、19 cmの細長い骨に復元された。

130日目に、長谷川博士の鑑定により、肋骨の一部分であると判明した。

発掘１１０日目

肋骨（２）

長さ8.9 cm　太さ1.8 cm

指骨(2)が出土した岩盤の下を、110日目に詳しく調査したところ、20 cmほどの灰色の岩盤を発見。その表面には、直径約3 cmの黒光りする"円形の物体"が顔をのぞかせていた。
さらに下の岩盤を掘り進めると、破片がもうひとつ出てきた。
接合面が似ていることから、この２つは同一の化石であると判断。エアチゼルでクリーニングしてつなぎ合わせた結果、6 cmほどの長さになった。
一連のクリーニング作業中に、指骨(2)が含まれていた岩盤から、断面が似ている破片をさらに発見。
おそらく、元は１本の化石だったのではないか、と推理しつつ、城島、太一、橋本隊員の３人が、クリーニングと復元作業を行う。
すると、予想通り、３個の接合面はピタリとくっつき、長さ９cmほどの化石となった。
これもやはり首長竜の骨なのだろうか？

130日目に、いわき市の石炭化石館で、首長竜の骨格標本と比較したところ、尾に近い肋骨の、先端部分であることが判明した。
指骨(2)と同じ岩盤の中から、折り重なるように発見されたことから考えると、これらは同一個体の骨である可能性がきわめて高い。

発掘７０日目

肋骨 (1)

長長さ50.0 cm　直径2.0 cm
70日目に、川底の岩盤から出土。
その正体をめぐって、隊員の間で大論争が繰り広げられた。

当初は、丸い"断面"が出現したため、「貝化石か？」と思われた。
しかし、発掘を進めるうちに、岩を貫く棒状の物体であることが判明し、「木の化石では？」と、予想が一変。
ところが、クリーニングの結果、弧を描いた形であることが分かると、「骨化石に違いない！」という意見まで出るようになった。

クリーニングの最中に、城島が誤って、化石自体を割ってしまうというハプニングもあったが、先生がたの熟練の技で、見事に復元された。
断面を顕微鏡で調べてみたが、砂が混じっているため、骨であるかどうかの判断を下せなかった。

91日目に、東京・上野の国立科学博物館に行き、展示されている骨格標本と比較してみた。
すると、首長竜の腹肋骨（腹部を覆う骨）に似ているようだ。
本当にそうなのか？

92日目、首長竜研究の第一人者である長谷川善和博士によって、首長竜の肋骨（背中側の骨）であると特定された。
「肋骨」と「腹肋骨」は、形が微妙に異なる。
肋骨のほうは、中心部が窪んで、"溝"のようになっている。
この溝は、腹肋骨が左右にスライドするための"レール"である。
このような構造は、首長竜の肋骨だけに見られるものなのだ。

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