背骨

※首長竜をクリックする事で、各部分の化石を見ることが出来ます

-2-

発掘２１６日目

脊椎骨（１０）

直径6.0 cm　高さ3.2 cm

第１プールで掘り出した岩盤の中から、216日目に、城島が発見した。

川底での発掘作業では、太一にやや水をあけられていた城島は、クリーニング作業で名誉を挽回しようと、秘かに闘志を燃やしていた。
その思いが天に通じたのか、岩盤をハンマーで叩いたところ、岩盤はまっぷたつに割れ、骨の断面が姿を現した。
その瞬間、城島は喜びのあまり「出たー！」と絶叫。
鈴木先生も「凄いなー」と絶賛したほど、見事な骨化石であった。

岩盤が割れた拍子に、骨も二つに割れてしまっため、217日目に神田隊員がクリーニング作業を引き継ぐこととなった。
エアチゼルで外側を削っていったところ、かなり風化が進んでいることが判明したため、パラロイド溶液を塗り、全体を保護することに。
その上で、割れた部分を接着剤で貼り合わせ、さらにエアチゼルで母岩を削っていった。
母岩を切り離し、表面のデコボコを削り落として、クリーニングは完了した。

城島が発見した段階で推測はなされていたものの、あらためて高橋先生に鑑定して頂き、首長竜の脊椎骨であることが確認された。
脊椎骨の発見はおよそ２ヶ月ぶり。
城島にとっては初めての収穫であった。

発掘１６６日目

脊椎骨（９）

高さ3.5ｃｍ　幅7ｃｍ

１６６日目、首長竜の頭の化石を発掘する決意を新たに始まった発掘作業。その開始早々、太一と高橋先生が第２プール岸側で、川底の青色の岩盤に注目しながらエアピックで砕いていたときに発見。

「ああ！出た！出た！」と驚きと喜びを同時に現す太一。
その場に駆け寄った隊員も、その化石の大きさに驚きの色を隠せない。

しかし、うまく取り出そうにも岩盤の保存状態が悪く、骨の化石はバラバラになってしまう。
少しでも崩れるのを防ごうと、化石の周りの岩盤をまるごと取り出すことにした隊員。
全体像が見えないこの化石、一体何なのか。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
高橋先生は、一番大きいと思われる岩盤にくっついている化石から見て、脊椎骨であるという見解を出したが、その真実は、岩上隊員のクリーニングに託されることになった。

１６９日目、岩盤には化石の破片が約20パーツ含まれていた。そのほとんどが１ｃｍにも及ばない数ミリ単位のもの。ピンセットをうまく使いこなしながら、注意深く繋ぎ合わせて復元していく岩上隊員。クリーニングに丸一日費やし、ようやくできあがったこの化石は、紛れもなく首長竜の脊椎骨そのものであった。

脊椎骨（８）

縦6.5ｃｍ　横9ｃｍ

太一が、青い岩盤で４０ｃｍぐらいの大きさで取り出された。
保存状態がかなり悪かったためクリーニングは高橋先生が慎重にクリーニングを行った。
最初、大腿骨の一部かと思っていたが、クリーニングをしていくと脊椎骨であることがわかった。

脊椎骨（７）

高さ4.1ｃｍ　幅6ｃｍ

発掘を開始して、第２プールで発見されたノジュールから発見。
最近ノジュールから化石が見つかっていなかったが、やはりノジュールは宝の石だと実感させられた。
しかし、ノジュールからクリーニングするのは容易でないため嬉しいのかどうか？？
クリーニングは、最初から真っ二つになっていたため、これまでクリーニングしたものの中で一番硬い岩盤（ノジュール）に入っていた。
エアチゼルでは全く歯が立たなかったので、ダイヤモンドカッターで表面ギリギリの１ｍｍぐらい残しカッティングし、その１ｍｍだけをエアチゼルで剥いでいった。
中の組織がはっきりわかるので、割れた状態で保管することにした。

脊椎骨（６）

高さ2.5ｃｍ　幅7ｃｍ

鈴木先生が第１プールと第２プールの間で発見。
最近ハンマーからエアピックになり、発掘作業に没頭してしまう鈴木先生。
エアピック片手にあちらこちら発掘していくと、岩盤が浅く大きく下から浮かび上がってきた。
上に上がってきた岩盤をひっくり返すと、ハンバーグの形をした化石が発見された。　　　　
クリーニングは、岩盤から丸い部分だけが見えていた。
砂岩質なので楽にクリーニングできると思っていたが、端の部分が腐っていて何回か割れてはボンドで接合し、なんとか完成した。

発掘１５４日目

脊椎骨（５）

幅3.5ｃｍ　長さ6.0ｃｍ

発掘１５４日目に鈴木先生が発見した第１プールの下流中央の岩盤をはがした時に発見された。
発見した瞬間叫ばずにはいられないほど白く１片も欠けることのない骨として発見された。
この化石の白さは、以前巨大琥珀のそばから発見された指骨化石にかなり似ている。
ということは、同じ動物の骨なのか？そう。首長竜の脊椎になるのか。
しかし、今まで発見された脊椎骨に比べ形は抜群にいいものの大きさが一番小さい。

神経突起（３）

縦4ｃｍ　横4.5ｃｍ

橋本隊員が、第１プール中流の大腿骨周辺を発掘しているときに、３０ｃｍほどの青い岩盤の表面に骨の組織が見られた。
クリーニングでは、青い岩盤クリーニングする前は表面上に骨の組織が見えていたので、エアチゼルで始めたものの、岩盤と骨の境目が非常に見極めにくく半日がかりでなんとかクリーニングし終えた。

発掘１３７日目

脊椎骨（４）

高さ4.0 cm　直径6.0 cm

大腿骨(1)(2)が出土した近辺を、137日目に再調査していた太一は、野球ボール大の石を、たて続けに３つ発見。どれも、化石らしい物が表面に見えている。
これは期待できそうだ！

本部で乾燥させ、139日目にクリーニング。
３つとも直径は10 cmほどだが、エアチゼルでは削れないほど硬い。
そこで鈴木先生が、ダイヤモンドカッターで慎重に削り始めた。本来は、細かい作業に用いる機械ではないため、エキスパートの腕でも時間を要する。
さらに、神田隊員も加わって、コンクリート針で細かい部分を削り落とした結果、1 cmから3 cmほどの破片が、合わせて５個取り出された。

この５個は、まったく別の骨なのか、それともひとつの骨がバラバラになった物なのか？
５個の破片はどれも、色合いや風化の程度がよく似ている。
また、元の石（３つ）は、川底の同一地点に埋もれていた。
ということは、５個の破片は、元はひとつの骨だった可能性が高い。

そこで、破片をつなぎ合わせ、復元する作業が始まった。
まるで、立体的なジグソーパズルだが、風化によって欠損している部分があるため、なかなかピタリと合わない。
試行錯誤を繰り返した神田隊員、最後は高橋先生の協力を仰ぐことに。
先生が、欠損部分を粘土で補い、どうにか復元完了。
首長竜の脊椎骨であると確認された。

発掘１３６日目

神経突起（２）

幅1.7ｃｍ　長さ6.7ｃｍ

発掘１３６日目。鈴木先生が大腿骨の発見された周辺の川底を調査。
そのときに、楕円形の１０ｃｍぐらいの岩盤の表面に骨組織がみえた。
発見時は、何の化石なのか？どれほどのものなのか？推測することも出来なかった。
しかし、エアチゼルによる慎重なクリーニングの結果神経突起という脊椎骨に接続する骨だということがわかった。

発掘１３６日目

神経突起（１）

縦4.1ｃｍ　幅4.7ｃｍ

発掘１３６日目。岩上隊員が川底にある怪しい１０ｃｍほどの岩盤を拾ったところ石の表面に２つの骨の組織を確認した。
もしかしたら、この岩の中に　指骨（３）や肋骨（４）のように２つの化石があるのでは
という期待を胸にクリーニングを開始。
コンクリート針で慎重に母岩をとっていくと、結局１つの化石であった。
しかし、今まで見たこともないのでどこの部位なのか博物館で鑑定した。
その結果、神経突起という脊椎骨に接続する部分であることが判明。

発掘１１５日目

脊椎骨（３）

直径9.5 cm　高さ4.3 cm

115日目に、盃、あるいは臼のような形をした骨２個〔後に脊椎骨(1)(2)と判明〕が相次いで見つかった地点で、これも出土した。
30 cmほどの岩盤の表面に、先の２個と同じように、白く平らな化石の表面が見えていた。
鈴木先生は、これについても「関節面」と断言。
また、本部で見た高橋先生も、「背骨」と推定した。

高橋先生によるクリーニングの結果、先の２個に近い形状の骨が姿を現した。だが、全体的に平べったく、押しつぶされたような形である。

130日目に、長谷川博士に鑑定して頂いた結果、これも首長竜の脊椎骨であることが明らかになった。

発掘１１５日目

脊椎骨（２）

直径7.5 cm　高さ5.5 cm

115日目、盃状の化石〔後に脊椎骨(1)と判明〕を発見した直後に、鈴木先生が「関節面ですよ！」と叫んだ。
先生の指さす方を見ると、川底の岩盤に、脊椎骨(1)とよく似た、白く平らな化石が顔をのぞかせている。
だが、大部分は母岩の中に埋まっており、全体の形はよく分からない。

高橋先生は、これも背骨ではないかと推測した。

化石全体がもろくなっているため、高橋先生がクリーニングを担当。
ほぼ１日を費やした結果、石臼のような骨が姿を現した。

130日目に長谷川博士に鑑定していただいた結果、首長竜の脊椎骨（人間の背骨に相当）であることが判明した。
脊椎骨(1)と重なるような状態で出土したことから判断して、この二つは、同一個体のすぐ隣り合う部分の骨であった可能性が高い。

発掘１１５日目

脊椎骨（１）

直径7.5 cm　高さ4.0 cm

115日目に、４分割の化石〔後に肋骨(3)と判明〕を発見した直後、さらなる驚きと発見が、隊員たちを待ち受けていた。

川底の砂利を竹ぼうきで掃いていたところ、直径10 cmほどの白いかたまりが、顔を出した。
太一は直感的に「何だこれは！　頭じゃない!?」と絶叫。鈴木先生も「不気味ですね…」と息をのむ。
騒ぎを聞いて駆けつけた隊員たちが取り巻く中、鈴木先生が慎重に掘り出し、観察した結果は・・・「鉱物ですよ」。
それは、方解石（ほうかいせき）であった。
砂や泥に含まれる石灰などの成分が、長い年月をかけて結晶となった物で、残念ながら化石でない。
「ナーンだ、まぎらわしいな！」と皆ガッカリし、それぞれの持ち場へ帰ろうとした次の瞬間、鈴木先生が、その固まりを裏返してみると…
「骨だね！　関節面が出ている！」
隊員たちのテンションは再び急上昇！

本部でこの化石を見た高橋先生は、「スゴイですね！」と目を見張り、背骨の化石ではないか、と推測した。

118日目に、太一がクリーニング。
母岩を丁寧に削っていくと、貝の化石が出てきた。
中生代後期に生息していた「アピオトリゴニア」という種類だ。
ということは、盃のような化石も、同時代の生物の骨である可能性が高い。

半日近くかけて、盃状の骨をほぼ完全な形で取り出すことに成功。
焼き魚を食べるときに見る、あの『背骨』とよく似ている。だが、比べものにならないほど太く、頑丈だ。

130日目に、長谷川博士の鑑定により、首長竜の脊椎骨（人間で言えば背骨に当たる）と判明した。

-2-