現地レポート

11月20日 リガ・デ・キト取材「故郷の子供達に勇気と希望を」

2008.11.20

成田空港を発つこと20時間。

行って来ましたエクアドル共和国。スペイン語で赤道(Ecuador)を意味するこの国は、その名の如く赤道直下。
さぞかし暑いのだろうな、と思いきや!空港に降り立つと意外や意外。ものすごく涼しい・・・。と言うよりむしろ寒い!

それもそのはず、エクアドルの首都キトは標高2850m。富士山の7合目あたりです。何でも世界で2番目に高い所にある首都だとか。今回の私の任務はこのキトに本拠地を構える南米最強クラブ、リガ・デ・キトの取材。その強さの秘訣を探りました。

リガ・デ・キトはあのブラジルの名門フルミネンセを倒して「TOYOTAプレゼンツ FIFAクラブワールドカップジャパン2008」のチケットを手に入れた注目チーム。

取材をする私も気合いが入ります。スタジアムに行ってみると素晴らしい青空の元、選手達が練習していたのですが・・・。

速い!速い!

標高2850mの高地で何故これだけ動けるのかと不思議になるほど、とにかく飛ぶようにピッチを縦横無尽に駆け回るリガ・デ・キトの選手達。噂に聞いていた身体能力はさすがの一言でした。



このチームの注目はなんといってもFWデルガドとDFカンポス。デルガドは2002年日韓ワールドカップ、2006年ドイツワールドカップに出場し共にゴールを決めたエクアドルの英雄。カンポスは、センターバックを務めるディフェンスの要です。このデルガドとカンポスの故郷がチョタ渓谷という所で、何でもエクアドルサッカーの強さの秘密がここにあるとクラブ関係者に聞き、早速私も行って来ました。

首都キトから車で山や谷を越えること3時間。宮崎駿監督の映画に出てきそうな美しい景色の中にその集落はありました。しかし村に入ってみると家々の塀は崩れ、人々は小川で食器を洗い、決して裕福な地域には見えません。しばらく村の中を歩いていると何だか子供達の賑やかな声が。

  

行ってみると、そこには空気の抜けたサッカーボールを無邪気に追いかけている子供達の姿がありました。木の枠だけで出来たゴール目掛けて懸命にボールを蹴るチョタの子供達。中には裸足の少年も。

話を聞いてみると、みな物心ついた時からサッカーボールを蹴っていて、それがこのチョタでは当たり前だと言うことです。将来の夢はもちろんプロサッカー選手。日本ではまだ小学生にもなっていないような小さな子供達が「早くプロになってお母さん達を楽させてあげたい」と口を揃えました。

  

前日に取材したリガ・デ・キトのクラブ関係者が言っていました。「エクアドルはまだまだ裕福ではない。だから子供達はみなサッカーをする。サッカーで成功することが家族に対する一番の恩返しだから。」そしてカンポスも言いました。「私達が世界の大会で活躍することによって故郷チョタ渓谷の子供達に勇気と希望を与えることができる。」

南米王者は過去の大会全てにおいて決勝に進出しています。昨年はヨーロッパ王者に持っていかれた世界最強の称号を奪い返すことが出来るのか!?今から本当に楽しみです。

私は「ズームイン!!SUPER」という朝の情報番組(月〜金 5:20〜8:00生放送)を担当しているのですが、12月1日からズームでもクラブワールドカップコーナーが始まります。

今回取材したチョタ渓谷の模様も、詳しく放送しますので是非ご覧になって下さい!

(アナウンサー 田中 毅)