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ぶらりマンチェスターの旅

2008.10.02

今回ヨーロッパ代表として出場するマンチェスター・ユナイテッドが前身のトヨタカップで優勝したのは99年の事です。当時、私はイギリスに留学をしていました。

留学生活にも慣れた頃、初めて遠くに行ってみようと思って選んだのがマンチェスターでした。実は私にとってマンチェスター・ユナイテッドは特別なチームです。

昔読んだ「バスビー・ベイブス」の話に感動し、“ぜひ、あの地へ行かねば。”とまるで使命のように感じていたのです。

私の住んでいたブライトンはイギリス南部の町です。そこから北部のマンチェスターまで、直線距離でもおよそ500キロ。旅費を浮かすためにとバスを乗り継いで、10時間ぐらいかかりました。イギリスのいいところは、学生割引や往復割引で、ほぼ片道の料金と変わらなくなること。安い旅にはもってこいの国です。

ちょうどホームで試合のある週末を選びましたが、マンチェスター・ユナイテッドのようなビッグクラブは、そう簡単にチケットを手に入れることは出来ません。当日券なんてあってないような物。せっかく行って入れないのも…と、事前にロンドンにあるチケットショップでチケットを買いました。およそ100ポンド(当時18000円程度)のゴール裏2階席。原価は20ポンドです(涙)だから交通費を浮かそうとバスを選んだのでした。

そして試合当日。スタジアム周辺には、悪そうなダフ屋がうろうろしています。ダフ屋行為はもちろん違法です。買った方もタダではすみません。
でもここで、私の好奇心にスイッチが入りました。

果たしてダフ屋はいくらでチケットを売っているのか―?

知らないでいるよりは知っておいた方がいい。しばらく考えて、ちょっとは人が良さそうに見えるおじさんに話しかけてみました。すると、

「いい席がある、今日一番の席だ、特別に君だけに100ポンドで売るよ」

という具合です。私はチケットの実物を見せてほしいと言います。

「ここでは警察がいるから見せられない。人のいないところに行こう」

あー、なんかまずい展開。ここで見せろ、だめだ、じゃあ買わない。そんな押し問答の末、間をとってパブに入ることになりました。そして彼が見せてくれたチケットは、招待券でメインスタンド、前から5列目(ぐらい)だったのです。衝撃でしたね。私がチケットショップで買ったのはゴール裏2階席で100ポンド。ダフ屋のメインスタンドも100ポンド。

もちろん違法行為ですから薦められたものではありませんが、観光客相手のチケットショップの方が、ぼったくりのような気がしてしまいました。

試合前にはそんなことがありましたが、始まってしまえばマンチェスター・ユナイテッドが7−1で大勝。スコールズがハットトリックするわ、ベッカムがフリーキックを直接決めるわで、100ポンドの2階席を十分に楽しむことが出来ました。

オールド・トラッフォードは、どこからでも見やすいスタジアムです。ピッチは、まるで選手のステージとでも言わんばかりに、周囲より少し盛り上がっているんですよ。本当は水はけのためのこう配だったと思いますが、やっぱりあれは舞台です。今思い出しても、夢のような90分でした。

もしイングランドでサッカーを見ようと思うなら、オールド・ トラッフォードをお勧めします。

スタジアムツアーについては、また次の機会に。